過剰症を起こすビタミンはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
ビタミンは大きく水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分類されます。脂溶性ビタミン(A, D, E, K)は体内に蓄積されやすく、過剰に摂取すると過剰症(毒性)を引き起こすリスクがあります。一方、水溶性ビタミン(B群, C)は過剰分が速やかに尿中に排泄されるため、通常は過剰症の心配はほとんどありません。選択肢のうち、レチノール(ビタミンA)とカルシフェロール(ビタミンD)は脂溶性ビタミンであり、それぞれ過剰症が知られています。
選択肢ごとの解説
- 1. チアミン(ビタミンB1)は水溶性ビタミンであり、過剰に摂取しても速やかに体外に排泄されるため、通常は重篤な過剰症を引き起こすことはありません。正しくは:過剰症の心配はほとんどなく、むしろ欠乏症に注意すべきビタミンです。選びやすい理由:ビタミン全てに過剰摂取のリスクがあると誤解している場合、選択肢として考慮してしまう可能性があります。混同注意:脂溶性ビタミン、または高用量で副作用が報告される一部の水溶性ビタミンと混同されることがあります。
- 2. 正解。レチノール(ビタミンA)は脂溶性ビタミンであり、体内に蓄積されやすい性質があります。そのため、過剰に摂取すると頭痛、吐き気、皮膚乾燥、肝機能障害などの過剰症を引き起こす可能性があります。
- 3. リボフラビン(ビタミンB2)も水溶性ビタミンであり、過剰摂取しても大部分は尿中に排出されます。そのため、一般的な摂取量で過剰症が報告されることは非常に稀です。正しくは:過剰症は極めて稀で、尿が鮮やかな黄色になる程度で、通常は健康被害に至ることはありません。選びやすい理由:ビタミンAやD以外の脂溶性ビタミン、あるいは特定の水溶性ビタミン(例:ナイアシン、ビタミンB6)の過剰症の知識と混同してしまうかもしれません。混同注意:脂溶性ビタミンや、比較的高用量で副作用が報告される一部の水溶性ビタミン(例:ビタミンB6、ナイアシン)と混同されることがあります。
- 4. アスコルビン酸(ビタミンC)は水溶性ビタミンであり、過剰分は尿中に排出されるため、比較的大量に摂取しても安全性が高いとされています。ただし、極端な高用量では軽度の消化器症状(下痢など)や、腎結石のリスク増加(特定の条件下で)が報告されることがありますが、脂溶性ビタミンのような重篤な過剰症とは異なります。正しくは:通常の過剰摂取では軽微な症状に留まり、重篤な健康障害にはつながりにくいビタミンです。選びやすい理由:ビタミンCサプリメントの大量摂取が話題になることがあるため、「過剰症」という言葉から漠然とした不安を感じ、誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:脂溶性ビタミンの重篤な過剰症と、水溶性ビタミンにおける軽微な副作用や特定の条件下でのリスクとを混同する可能性があります。
- 5. 正解。カルシフェロール(ビタミンD)は脂溶性ビタミンであり、体内に蓄積されやすい性質があります。そのため、過剰に摂取すると高カルシウム血症、腎機能障害、軟組織の石灰化などの過剰症を引き起こす可能性があります。
国試ポイント
ビタミンの基本的な分類(脂溶性・水溶性)と、それに対応する過剰症のリスクの有無に関する知識が問われています。特に、脂溶性ビタミンが体内に蓄積されやすく、過剰症を起こしやすいという原則を理解しているかが重要です。
混同注意
水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの区別、およびそれぞれの過剰症のリスクに関する認識が問われます。特に、ビタミンCのように比較的安全とされる水溶性ビタミンでも、極端な高用量で軽微な症状が出ることがあるため、重篤な過剰症を起こす脂溶性ビタミンとの区別が重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、まず各ビタミンが脂溶性か水溶性かを正確に判断できるかを確認します。次に、脂溶性ビタミンの中から過剰症がよく知られているもの(特にビタミンAとD)を識別できることが重要です。また、水溶性ビタミンでも高用量で特定の副作用が報告されているもの(例:ビタミンB6による末梢神経障害、ナイアシンによる皮膚紅潮)と、重篤な過剰症を起こす脂溶性ビタミンとを区別できるかが問われる可能性もあります。
関連知識
脂溶性ビタミンにはビタミンA(レチノール)、D(カルシフェロール)、E(トコフェロール)、Kがあり、これらは脂肪組織や肝臓に蓄積されます。水溶性ビタミンにはビタミンB群(チアミン、リボフラビン、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビオチン、葉酸、ビタミンB12)とビタミンC(アスコルビン酸)があり、これらは体内に少量しか蓄えられず、過剰分は尿中に排出されます。各ビタミンの代表的な欠乏症と過剰症の症状についても理解しておく必要があります。