腎前性急性腎不全の原因になるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
敗血症は、全身の血管抵抗性低下や血管透過性亢進による有効循環血液量の減少、さらには腎臓への血流低下を引き起こし、腎灌流圧が低下することで腎前性急性腎障害を来します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。敗血症は、全身性の炎症反応により血管拡張や毛細血管からの液体漏出を引き起こし、有効循環血液量の減少と腎血流低下を招くため、腎前性急性腎障害の原因となります。
- 2. 尿管結石は尿路の閉塞を引き起こし、腎臓から膀胱への尿の流れを妨げることで、腎後性急性腎障害の原因となります。腎前性ではありません。正しくは:「腎後性急性腎障害の原因になるのはどれか」という問いであれば正しい選択肢となります。選びやすい理由:腎臓に関連する疾患であり、腎機能低下を招くため、選択肢として考慮されやすいかもしれません。混同注意:腎機能低下の原因として「腎前性」「腎実質性」「腎後性」の分類を曖昧に理解していると、どのタイプに属するか混同する可能性があります。
- 3. 前立腺肥大は、尿道が圧迫されて尿の排出が妨げられることで、膀胱から尿管、腎盂への逆流や停滞を引き起こし、腎後性急性腎障害の原因となります。腎前性ではありません。正しくは:「腎後性急性腎障害の原因になるのはどれか」という問いであれば正しい選択肢となります。選びやすい理由:高齢男性に多く見られ、腎機能障害と関連が深いため、選びやすいかもしれません。混同注意:尿管結石と同様に、尿路閉塞による腎機能障害であるため、腎後性腎障害であることを正確に把握していないと混同します。
- 4. 急速進行性糸球体腎炎は、腎臓の糸球体自体に炎症や損傷が生じることで腎機能が急速に低下する疾患であり、腎実質性急性腎障害の原因となります。腎前性ではありません。正しくは:「腎実質性急性腎障害の原因になるのはどれか」という問いであれば正しい選択肢となります。選びやすい理由:腎臓の病気であるため、腎機能低下の原因として直感的に選んでしまう可能性があります。混同注意:腎機能低下の原因を「腎前性」「腎実質性」「腎後性」の3つに分類する基礎知識が不足していると、どのタイプに属するか判断が難しくなります。
- 5. 全身性エリテマトーデス(SLE)は、自己免疫疾患であり、腎臓に病変(ループス腎炎)を引き起こすことで、糸球体や尿細管間質に直接的な損傷を与え、腎実質性急性腎障害の原因となります。腎前性ではありません。正しくは:「腎実質性急性腎障害の原因になるのはどれか」という問いであれば正しい選択肢となる可能性があります(ループス腎炎の場合)。選びやすい理由:腎臓以外の全身の臓器にも影響を及ぼす疾患であるため、腎臓にも悪影響があるという点で誤って選んでしまうかもしれません。混同注意:SLEが多臓器障害を引き起こすことは知っていても、それが腎実質のどの部分にどのような機序で影響を及ぼすか(腎実質性であること)まで理解していないと、他の分類と混同しやすくなります。
国試ポイント
腎機能障害の3分類(腎前性、腎実質性、腎後性)とその代表的な原因疾患を正確に理解しているかを問う問題です。各分類の病態生理学的機序と、それに合致する疾患を紐付けて覚えることが重要です。
混同注意
腎実質性腎障害や腎後性腎障害の原因疾患(例:糸球体腎炎、尿管結石、前立腺肥大)と混同しやすいです。それぞれの病態が腎臓のどの部位にどのように影響するかを明確に区別することが必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、腎機能障害の原因分類だけでなく、各分類における具体的な検査所見(例:FENa、尿比重、尿浸透圧、尿沈渣など)や治療法についても問われる可能性があります。
関連知識
腎前性急性腎障害の原因として、脱水、出血、心不全、肝硬変(有効循環血液量減少)、薬剤性(NSAIDs、ACE阻害薬などによる腎血流低下)なども挙げられます。腎実質性では急性尿細管壊死、間質性腎炎、腎血管疾患など。腎後性では結石、腫瘍、前立腺肥大、神経因性膀胱など。