B型急性肝炎におけるHBs抗原、HBs抗体、HBe抗原、HBe抗体、HBc抗体の推移(別冊No. 2)を別に示す。HBc抗体はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
HBc抗体は、B型肝炎ウイルス(HBV)のコア部分に対する抗体であり、HBV感染の初期から出現し、感染既往を示す最も重要なマーカーです。急性B型肝炎においては、まずIgM型HBc抗体が出現し、その後IgG型HBc抗体が長期にわたって検出され続けます。図中の曲線Cは、比較的早期から陽性となり、その後も持続的に高いレベルを維持しているため、HBc抗体の推移を示しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 曲線AはHBs抗原(HBsAg)の推移に相当します。HBsAgは急性B型肝炎の初期に陽性となり、回復期には陰性化します。正しくは:HBc抗体は、急性期にIgM-HBc抗体として上昇し、その後IgG-HBc抗体が長期にわたり陽性を持続します。選びやすい理由:一番最初に上昇し、早い段階で下降しているため、急性期の指標と勘違いしやすいかもしれません。混同注意:HBs抗原と混同しやすいです。
- 2. 曲線BはHBe抗原(HBeAg)の推移に相当します。HBeAgはHBs抗原とほぼ同時期に陽性化し、感染性が高いことを示します。正しくは:HBc抗体は、急性期にIgM-HBc抗体として上昇し、その後IgG-HBc抗体が長期にわたり陽性を持続します。選びやすい理由:HBs抗原と同様に初期に陽性化するため、急性期の指標としてHBc抗体と勘違いしやすいです。混同注意:HBe抗原と混同しやすいです。
- 3. 正解。HBc抗体は、急性B型肝炎の診断において重要なマーカーであり、特にHBc抗体IgMは急性感染の指標となります。HBc抗体(総抗体)は急性期から上昇し始め、B型肝炎の既往がある場合やキャリア状態の場合、非常に長期間にわたって陽性が持続します。図中の曲線Cは、急性期から上昇し、その後も持続的に高値を維持するパターンを示しており、HBc抗体の一般的な推移と一致します。
- 4. 曲線DはHBe抗体(HBeAb)の推移に相当します。HBeAbはHBeAgが陰性化した後に陽性化し、ウイルス増殖の沈静化を示唆します。正しくは:HBc抗体は、急性期にIgM-HBc抗体として上昇し、その後IgG-HBc抗体が長期にわたり陽性を持続します。選びやすい理由:抗体であるため、時間差で陽性になるHBc抗体と混同しやすいですが、HBc抗体は急性期から比較的早期に上昇します。混同注意:HBe抗体と混同しやすいです。
- 5. 曲線EはHBs抗体(HBsAb)の推移に相当します。HBsAbはHBs抗原が陰性化した後に陽性化し、治癒と免疫の獲得を示します。正しくは:HBc抗体は、急性期にIgM-HBc抗体として上昇し、その後IgG-HBc抗体が長期にわたり陽性を持続します。選びやすい理由:最終的に陽性化する抗体であるため、HBc抗体と勘違いしやすいかもしれませんが、HBc抗体はHBs抗体よりも早期に陽性化します。混同注意:HBs抗体と混同しやすいです。
国試ポイント
B型肝炎ウイルスマーカーの基本的な推移を理解しているか、特に各マーカーが陽性になるタイミングとその持続期間を正確に把握しているかが問われています。HBc抗体は感染の既往を示す重要なマーカーであり、HBs抗原やHBe抗原などの急性期マーカー、HBs抗体やHBe抗体などの回復期マーカーとの相対的な出現時期を区別できる必要があります。
混同注意
HBs抗体、HBe抗体など、他の抗体マーカーとの出現時期や持続期間が混同されやすいです。特にHBs抗体は治癒・免疫獲得を示すマーカーであり、HBc抗体が感染の既往を示すマーカーである点で異なります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、HBs抗原、HBe抗原、HBs抗体、HBe抗体、HBc抗体IgM、HBc抗体IgGの各マーカーが、急性感染期、慢性感染期、回復期、既往感染期においてどのように変動するかを詳細に問われる可能性があります。特に、それぞれのマーカーが示す臨床的意義(例:感染性、ウイルス増殖、免疫獲得)を理解しているかが重要になります。
関連知識
B型肝炎の診断には、HBs抗原、HBs抗体、HBe抗原、HBe抗体、HBc抗体(IgMとIgG)、HBV DNAなどの複数のマーカーを組み合わせて判断します。急性B型肝炎の診断では、HBs抗原とIgM-HBc抗体の陽性が重要です。慢性B型肝炎やキャリア状態では、HBs抗原とIgG-HBc抗体が陽性を持続します。