サルコイドーシスの診断に最も有用なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
サルコイドーシスでは、疾患の病態形成に関わる類上皮細胞肉芽腫を構成するマクロファージから、アンジオテンシン変換酵素(ACE)が過剰に産生されます。このため、血中ACE値の上昇はサルコイドーシスの活動性を強く示唆し、診断補助や病態評価において他の選択肢と比較して最も特異的で有用なマーカーとされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。サルコイドーシスでは、類上皮細胞肉芽腫を構成するマクロファージがACEを過剰産生するため、血中ACE濃度が上昇します。特に活動期のサルコイドーシス患者の約60~80%で高値を示し、診断補助や病態活動性の評価に最も有用とされています。
- 2. CRPは全身の炎症反応を示す非特異的なマーカーであり、サルコイドーシスでは通常、顕著な上昇は認められず、診断にはあまり有用ではありません。正しくは:CRPは全身の炎症反応を示す非特異的なマーカーであり、サルコイドーシスでは通常、顕著な上昇は認められず、診断にはあまり有用ではありません。選びやすい理由:炎症性疾患であるサルコイドーシスなので、炎症マーカーであるCRPも高値を示すと考える学生がいるかもしれません。混同注意:感染症や他の自己免疫疾患など、多くの炎症性疾患におけるCRPの上昇と混同しやすいです。
- 3. IL-6は炎症性サイトカインで、サルコイドーシスを含め様々な炎症性疾患で上昇しますが、サルコイドーシスに特異的ではなく、診断の主たるマーカーではありません。正しくは:IL-6は炎症性サイトカインで、サルコイドーシスを含め様々な炎症性疾患で上昇しますが、サルコイドーシスに特異的ではなく、診断の主たるマーカーではありません。選びやすい理由:サルコイドーシスが炎症性疾患であるため、炎症性サイトカインであるIL-6も関連すると考える可能性があります。混同注意:炎症や免疫応答に関わる様々な疾患におけるサイトカインの上昇と混同しやすいです。
- 4. KL-6は主に間質性肺炎の診断や病態評価に用いられるマーカーであり、サルコイドーシスに特異的なものではありません。肺サルコイドーシスでも上昇し得るものの、最も有用な診断マーカーではありません。正しくは:KL-6は主に間質性肺炎の診断や病態評価に用いられるマーカーであり、サルコイドーシスに特異的なものではありません。肺サルコイドーシスでも上昇し得るものの、最も有用な診断マーカーではありません。選びやすい理由:サルコイドーシスが肺病変を伴うことが多いため、間質性肺炎マーカーであるKL-6が有用だと誤解する可能性があります。混同注意:肺線維症、特発性間質性肺炎、膠原病に伴う間質性肺炎などの肺疾患におけるマーカーとしてのKL-6の役割と混同しやすいです。
- 5. SP-Dも肺胞上皮細胞の障害を反映するマーカーであり、間質性肺炎などで上昇します。肺サルコイドーシスでも高値を示すことがありますが、サルコイドーシスの診断に最も特異的かつ有用なマーカーではありません。正しくは:SP-Dも肺胞上皮細胞の障害を反映するマーカーであり、間質性肺炎などで上昇します。肺サルコイドーシスでも高値を示すことがありますが、サルコイドーシスの診断に最も特異的かつ有用なマーカーではありません。選びやすい理由:KL-6と同様に、サルコイドーシスが肺病変を伴うことが多いため、肺関連マーカーが有用だと誤解する可能性があります。混同注意:特発性間質性肺炎、肺気腫、肺癌などの肺疾患におけるマーカーとしてのSP-Dの役割と混同しやすいです。
国試ポイント
サルコイドーシスに関する検査項目の中でも、特に診断や病態活動性の評価に最も有用な血中マーカーが問われています。代表的な炎症性マーカーや肺疾患マーカーとの区別を理解しているかが試されるポイントです。
混同注意
サルコイドーシスで高値を示すことがある他の炎症性マーカー(CRP, IL-6など)や肺病変マーカー(KL-6, SP-Dなど)と、最も特異性の高いACEとの区別が混同されやすいです。特にKL-6やSP-Dは肺病変を伴う疾患でよく用いられるため、肺サルコイドーシスとの関連で誤って選択される可能性があります。
次に同じ論点が出たら
サルコイドーシスの病態生理を理解し、なぜACEが上昇するのか(類上皮細胞肉芽腫のマクロファージによる産生)を明確にしておくことが重要です。また、それぞれのマーカーがどのような疾患で特異的に上昇するのか、非特異的でも上昇し得る疾患は何かを整理しておくことで、鑑別診断の問題にも対応できるようになります。
関連知識
サルコイドーシスの診断には、生検による非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の組織学的証明が確定診断に最も重要です。また、胸部X線やCT検査(両側肺門リンパ節腫脹、肺野病変)、眼科的検査(ぶどう膜炎)、心電図(不整脈、伝導障害)など、多臓器にわたる全身検査が必要です。血中カルシウム値の上昇(高カルシウム血症)も特徴的な所見の一つです。