新鮮凍結血漿を輸血する適応となる検査データとして正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
新鮮凍結血漿(FFP)の輸血適応は、主に凝固因子の補充が目的です。血漿フィブリノゲン値が150mg/dL以下(特に100mg/dL以下で出血傾向がある場合や外科的処置を行う場合)は、出血リスクが高い状態であり、FFP輸血の重要な適応となります。選択肢2のPT-INR 1.5以上も適応の一つですが、出血の有無や侵襲的な処置の予定など、より詳細な臨床状況を考慮する必要があります。単一の検査データとして最も確実な適応基準の一つがフィブリノゲン値の低下です。
選択肢ごとの解説
- 1. PT活性が40%以下はFFPの適応基準として設定されていません。一般的なFFPの適応基準は、PT-INRが1.5以上またはPT活性が30%以下とされています。正しくは:PT活性が30%以下選びやすい理由:PT活性の低下は凝固能低下を示すため、選択肢として魅力的ですが、具体的な数値基準が異なります。混同注意:PT-INRやPT活性の具体的な適応基準値と混同しやすい。
- 2. PT-INRが1.5以上はFFPの適応基準の一つではありますが、これは一般的に出血傾向がある場合に検討される数値です。設問が「正しいのはどれか」と単数解答を求める場合、より明確な適応であるフィブリノゲン値の低下が優先されることがあります。また、出血のない手術前などではINR 1.5でも必ずしもFFPの適応とはなりません。正しくは:PT-INRが2.0以上、あるいは出血傾向がある場合のPT-INR 1.5以上選びやすい理由:PT-INRの異常はFFPの重要な適応基準であるため、多くの学生が正しいと判断しやすいです。混同注意:具体的な適応基準(出血の有無や手術の種類による)と、単なる異常値と混同しやすい。
- 3. APTTが基準値の1.5倍以上も凝固因子欠乏を示すためFFPの適応となることがありますが、単独で提示された場合、出血傾向の有無や他の凝固因子活性の低下度合いによって適応判断が異なります。一般的には、PT-INRの異常やフィブリノゲン低下がより直接的なFFP適応基準として挙げられます。正しくは:出血傾向がある、または侵襲的な処置を行う場合にAPTTが基準値の1.5倍以上選びやすい理由:APTTの延長も凝固異常を示すため、正しい選択肢だと考えやすい。混同注意:PT-INRの延長、またはAPTT延長の原因となる特定の凝固因子欠乏症と混同しやすい。
- 4. 血清アルブミン値の低値は、低栄養や肝機能障害を示す指標ですが、新鮮凍結血漿の輸血の直接的な適応とはなりません。アルブミン補充にはアルブミン製剤が用いられます。正しくは:アルブミン製剤の適応となる選びやすい理由:FFPが血漿製剤であるため、血漿中のタンパク質であるアルブミンが低い場合にFFPを補給する、と誤解しやすい。混同注意:アルブミン製剤の適応とFFPの適応を混同しやすい。
- 5. 正解。血漿フィブリノゲン値が150mg/dL以下は、DIC(播種性血管内凝固症候群)や肝疾患、大量出血などによる凝固因子欠乏による出血傾向がある場合に、新鮮凍結血漿を輸血する明確な適応基準の一つです。
国試ポイント
新鮮凍結血漿(FFP)の輸血適応となる具体的な検査所見の基準値を問う問題です。特に凝固因子の補充というFFPの主要な役割から、プロトロンビン時間(PT-INR)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、そしてフィブリノゲン値の基準を正確に理解しているかが問われます。
混同注意
FFPの適応基準としてPT-INRやAPTTの異常値も重要であるため、それらの具体的な数値とフィブリノゲン値の適応を混同しやすい。また、アルブミン製剤の適応とFFPの適応を混同する誤りも起こりやすい。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、FFPの適応基準について、PT-INR、APTT、フィブリノゲン値の具体的な数値を再確認するとともに、出血傾向の有無や侵襲的処置の予定など、臨床状況と合わせて適応を判断する視点が必要になります。また、アルブミン製剤や血小板輸血の適応との比較も重要です。
関連知識
FFPの主な目的は、血液凝固因子の補充、特に第V因子や第VIII因子、プロテインC、プロテインSなどの不安定な凝固因子の補充です。適応疾患として、肝不全、DIC、ビタミンK欠乏症、特定の凝固因子欠乏症(因子製剤がない場合)、大量輸血時の凝固因子希釈などが挙げられます。輸血量は通常10~15mL/kgとされます。