心臓超音波カラードプラ法の四腔像別冊No.62を別に示す。疾患はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
画像は心臓超音波カラードプラ法による四腔像であり、心房レベルで左右短絡を示す血流(赤色と青色のモザイク状)が描出されています。これは心房中隔の欠損を介して左心房から右心房への血液の流入を示唆しており、心房中隔欠損症に特徴的な所見です。左心房圧は右心房圧より高いため、通常左→右シャントが生じます。
選択肢ごとの解説
- 1. Fallot四徴症は、肺動脈狭窄、心室中隔欠損、大動脈騎乗、右心室肥大を特徴とします。カラードプラでは心室中隔欠損を通るシャント血流や肺動脈狭窄による血流加速が見られますが、本画像のような心房レベルのシャントは主所見ではありません。正しくは:Fallot四徴症では心室中隔欠損を介するシャント血流(赤と青のモザイク状)や肺動脈狭窄部での血流速度の増大(高速血流)が認められます。選びやすい理由:先天性心疾患として代表的であり、問題が先天性心疾患に広く関わる可能性があるため、知識の範囲内で選択肢として魅力的に映る可能性があります。混同注意:他の先天性心疾患全般、特にチアノーゼ性心疾患。
- 2. 大血管転位症は、大動脈と肺動脈の起始が入れ替わる疾患です。カラードプラでは、大血管の走行異常や短絡血流が見られますが、本画像で示されているような明確な心房中隔欠損によるシャント血流が直接的に診断する所見ではありません。正しくは:大血管転位症では、大動脈が右心室から、肺動脈が左心室から起始していることが確認され、心房中隔欠損や動脈管開存などの合併症による短絡血流も認められることがあります。選びやすい理由:これも重篤な先天性心疾患であり、画像診断が重要であるため、選択肢として考慮されやすいかもしれません。混同注意:他のチアノーゼ性先天性心疾患、特に形態異常を伴うもの。
- 3. 動脈管開存症は、大動脈と肺動脈をつなぐ動脈管が閉鎖せずに開存している状態です。カラードプラでは、大動脈から肺動脈へのシャント血流が動脈管の部位で描出されます。本画像は心房レベルの異常血流を示しており、動脈管の部位ではありません。正しくは:動脈管開存症では、大動脈と肺動脈の間、特に下行大動脈起始部付近に動脈管を介したシャント血流が描出されます。血流は通常、大動脈から肺動脈へ流れます。選びやすい理由:先天性心疾患の中でも比較的頻度が高く、シャント性疾患であるため、シャント血流を示す画像と結びつけやすい可能性があります。混同注意:他のシャント性疾患、特に肺高血圧を来しうる疾患。
- 4. 心室中隔欠損症は、心室中隔に欠損があり、左右の心室間で血液が短絡する疾患です。カラードプラでは心室中隔を介したシャント血流が描出されます。本画像では心房レベルでの血流異常が確認されており、心室中隔に明らかな欠損を示す所見はありません。正しくは:心室中隔欠損症では、左右心室間の心室中隔欠損部を通る高速のシャント血流がカラードプラで確認できます。多くは左室から右室への短絡です。選びやすい理由:心房中隔欠損症と並んで頻度の高いシャント性先天性心疾患であり、画像上シャント血流が描出されているため、混同しやすい選択肢です。混同注意:心房中隔欠損症、房室中隔欠損症。
- 5. 正解。画像は心臓超音波カラードプラの四腔像であり、心房レベルで心房中隔をまたぐ異常なモザイク状血流(赤と青)が描出されています。これは左心房から右心房へのシャント血流を示しており、心房中隔欠損症に特徴的な所見です。選びやすい理由:正答であるため、心房中隔欠損症の超音波所見を理解していれば選択しやすいです。混同注意:心室中隔欠損症やその他のシャント性心疾患。
国試ポイント
心臓超音波検査におけるカラードプラ法での先天性心疾患の診断ポイントを理解しているか。特に心房中隔欠損症のカラードプラ所見を正確に識別できるかが問われています。
混同注意
心室中隔欠損症との混同に注意が必要です。心室中隔欠損症では心室レベルでのシャント血流が見られます。また、三尖弁逆流や僧帽弁逆流との区別も重要です。逆流は弁の閉鎖不全によって起こり、弁口を跨ぐ血流として描出されます。
次に同じ論点が出たら
同様の画像問題が出た場合は、まずカラードプラで示されている異常血流の位置を特定し、それが心房中隔、心室中隔、または弁のいずれのレベルで生じているかを確認します。血流の方向と色(赤はプローブに近づく、青は遠ざかる)も重要な判断材料となります。
関連知識
心房中隔欠損症は、通常無症状で経過し、成人期に発見されることが多いです。二次孔欠損型が最も多いですが、一次孔欠損型や静脈洞型もあります。左室から右室へのシャントにより右心系に容量負荷がかかり、肺高血圧症や心不全、不整脈を合併する可能性があります。