ポルフィリン環を含むのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
ポルフィリン環は、複数のピロール環が連結した特徴的な環状構造であり、中心に金属イオンを結合する能力を持つことが多いです。ヘムは鉄イオンと結合したポルフィリン錯体であり、酸素運搬や電子伝達に必須です。ビタミンB12(コバラミン)は、コバルトイオンを中心にもつコリン環(ポルフィリン環と類似の構造)を特徴とし、様々な代謝反応の補酵素として機能します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ヘムはポルフィリン環と鉄イオンが結合した錯体であり、ヘモグロビンやミオグロビンなどの酸素運搬タンパク質、シトクロムなどの電子伝達系酵素の重要な構成要素です。
- 2. 正解。ビタミンB12(コバラミン)は、中心にコバルトイオンを持つコリン環(ポルフィリン環に類似した構造)を含みます。これはメチルマロニルCoAムターゼやメチオニンシンターゼなどの補酵素として機能します。
- 3. アラキドン酸は、炭素数が20個の多価不飽和脂肪酸であり、プロスタグランジンやロイコトリエンなどのエイコサノイドの前駆体です。ポルフィリン環とは構造的に全く関連がありません。正しくは:アラキドン酸は、20個の炭素を持つ不飽和脂肪酸であり、炎症反応などに関わるエイコサノイドの前駆体である。選びやすい理由:生体内で重要な働きをするため、代謝産物が多いと誤解して選びやすいかもしれません。混同注意:ステロイド骨格や他の脂質関連物質と混同する可能性があります。
- 4. クレアチニンは、筋肉のエネルギー代謝産物であるクレアチンの脱水縮合によって生成される最終代謝産物であり、ポルフィリン環は含みません。主に腎機能評価の指標として用いられます。正しくは:クレアチニンは、クレアチンの代謝産物であり、腎機能検査の指標として用いられる。選びやすい理由:窒素を含む有機化合物であるため、ヘムやビタミンB12のような複雑な窒素含有化合物と混同する可能性があります。混同注意:クレアチンや尿素などの窒素含有代謝産物と混同する可能性があります。
- 5. ヒドロキシ酪酸(β-ヒドロキシ酪酸など)は、ケトン体の一種であり、脂肪酸の分解によって生成されます。ポルフィリン環とは無関係の単純な有機酸です。正しくは:ヒドロキシ酪酸は、ケトン体の一種であり、飢餓時や糖尿病などで増加する。選びやすい理由:代謝経路が複雑な他の有機酸と誤解する可能性があります。混同注意:他のケトン体(アセト酢酸、アセトン)や、TCAサイクルの代謝中間体などと混同する可能性があります。
国試ポイント
生体内で重要な機能を持つ分子の基本的な化学構造(特に特徴的な環状構造)とその代表例を問う問題です。ポルフィリン環とその関連化合物は、臨床検査技師国家試験で頻繁に出題される基本的な知識です。
混同注意
ポルフィリン環を持つ分子と、その他の生体内で重要な環状構造を持つ分子(例: ステロイド核、ピリミジン環、プリン環など)を混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出題されたら、代表的な生体分子(例: ヘム、クロロフィル、ビタミンB12、シトクロム)がポルフィリン環を含むかどうか、およびその中心金属イオンの種類に注目して判断します。
関連知識
ポルフィリン合成経路、ポルフィリン症、ビタミンB12欠乏症(悪性貧血)、ヘモグロビンの構造と機能、ミオグロビンの構造と機能、シトクロムの種類と機能。