生体で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
血漿の膠質浸透圧は、血管内の水分保持に重要な役割を果たしており、主に血漿タンパク質、特にアルブミンによって維持されます。アルブミンは分子量が比較的小さく、血漿中に最も多量に存在するため、膠質浸透圧への寄与が最も大きいからです。
選択肢ごとの解説
- 1. 血漿タンパク質は両性電解質であり、酸としても塩基としても作用することで緩衝作用を発揮しますが、主な緩衝作用は炭酸緩衝系やリン酸緩衝系です。血漿タンパク質の緩衝作用は、pHが酸性に傾いた場合にプロトンを受け取ることが中心です。正しくは:血漿タンパク質は両性電解質として、酸としても塩基としても作用し緩衝作用を発揮します。選びやすい理由:血漿タンパク質が緩衝作用を持つことは事実なので、正しいように見えます。しかし、その作用機序の説明が不十分であるため誤りです。混同注意:血漿タンパク質の緩衝作用と、それが酸としてのみ作用するという限定的な理解。
- 2. 赤血球を濃度の高い(高張)溶液に入れると、細胞内の水分が細胞外に移動し、赤血球は収縮( Crenation )します。細胞が膨らむのは、細胞よりも濃度の低い(低張)溶液に入れた場合です。正しくは:赤血球を濃度の高い(高張)溶液に入れると、細胞は収縮( Crenation )します。選びやすい理由:浸透圧の概念は知っていても、高張と低張のどちらで水が移動するかの向きを混同しやすいため。混同注意:高張液と低張液に入れた際の細胞の変化。
- 3. 成人男性の体重のうち、水分の割合はおよそ60%であり、80%は乳幼児の割合に近いです。年齢とともに体液の割合は減少します。正しくは:成人男性の体重のうち、水分の割合はおよそ60%です。選びやすい理由:「体はほとんど水」という一般的な知識から、高めの数字を選びたくなるため。乳幼児の水分比率を混同している可能性もあります。混同注意:乳幼児の体液割合と成人の体液割合。
- 4. 組織液が異常に溜まった状態は浮腫(むくみ)と呼びます。充血は、動脈性の血液供給が増加し、組織や器官が赤みを帯びて膨張する状態を指します。正しくは:組織液が異常に溜まった状態を浮腫と呼びます。選びやすい理由:どちらも体液の異常な増加や貯留に関連する状態であるため、混同しやすいです。混同注意:浮腫と充血。
- 5. 正解。血漿の膠質浸透圧は、主に血漿タンパク質、中でも最も量の多いアルブミンの濃度によって決定されます。アルブミンは分子量が比較的小さく、血管内での水分保持に大きく寄与するため、その濃度が膠質浸透圧に最も影響を与えます。選びやすい理由:膠質浸透圧とアルブミンの関係は生理学の基礎的な知識であり、正確に理解していれば選びやすい。混同注意:特になし。関連知識として結晶浸透圧との違いを理解していればより確実。
国試ポイント
生体の体液組成と浸透圧の調節機構、および関連する病態生理を理解すること。
混同注意
膠質浸透圧と結晶浸透圧、充血と浮腫。
次に同じ論点が出たら
体液の浸透圧に関する問題では、主要な溶質(Na+、グルコース、タンパク質など)とその役割、およびそれらが体液移動に与える影響を検討する。
関連知識
アルブミンは肝臓で合成され、低アルブミン血症は膠質浸透圧の低下を引き起こし、浮腫の原因となります。また、膠質浸透圧は血液ろ過や水分再吸収の過程においても重要です。