血流依存性血管拡張反応〈FMD〉に影響を与えない因子はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
血流依存性血管拡張反応(FMD)は血管内皮機能を評価する重要な指標です。喫煙、月経周期、カフェイン摂取、ビタミンC摂取はそれぞれ血管内皮機能に影響を与えることが知られています。喫煙やカフェインはFMDを低下させ、月経周期によるホルモン変動はFMDに影響を与え、ビタミンCは内皮機能を改善する可能性があります。一方、通常の水分摂取(飲水)は、FMDに対して直接的かつ有意な影響を与えないとされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。適度な水分摂取はFMDに直接的かつ有意な影響を与えないとされています。FMDは血管内皮機能の評価指標であり、飲水が血管内皮機能に与える影響は限定的です。選びやすい理由:他の選択肢が明確に影響を与える因子であるため、相対的に影響が少ないと判断しやすいです。混同注意:脱水状態がFMDに影響を与える可能性はありますが、通常の飲水による水分摂取は影響しないため、その違いが混同されやすいです。
- 2. 喫煙は血管内皮細胞に損傷を与え、一酸化窒素(NO)の産生を低下させるため、FMDを著しく低下させます。正しくは:喫煙はFMDに悪影響を及ぼします。選びやすい理由:喫煙が血管に悪い影響を与えることは一般的に知られているため、FMDにも影響すると推測しやすいです。混同注意:喫煙の急性作用と慢性作用が混同されることがありますが、どちらもFMDには悪影響です。
- 3. 女性ホルモンの変動は血管内皮機能に影響を与えることが知られており、月経周期によってFMDの値も変動する可能性があります(特にエストロゲン濃度の変化が影響します)。正しくは:月経周期はFMDに影響を及ぼす可能性があります。選びやすい理由:ホルモンの影響は身体の様々な機能に及ぶため、血管機能にも影響すると想像しやすいです。混同注意:女性ホルモンが血管保護的に働く側面と、月経周期に伴う変動が混同されることがあります。
- 4. カフェインは血管収縮作用を持つことが知られており、摂取後にはFMDが一時的に低下することが報告されています。これは血管内皮機能への影響が考えられます。正しくは:カフェイン摂取はFMDに影響を及ぼす可能性があります。選びやすい理由:カフェインが血管に作用することは広く知られているため、FMDにも影響すると推測しやすいです。混同注意:カフェイン摂取による血圧上昇と、FMDへの直接的な影響が混同されることがあります。どちらも血管機能に関連しますが、異なるメカニズムです。
- 5. ビタミンCは強力な抗酸化作用を持ち、血管内皮機能の改善に寄与すると考えられています。特に内皮機能が低下している場合に、FMDを改善する効果が示されています。正しくは:ビタミンC摂取はFMDに良い影響を与える可能性があります。選びやすい理由:ビタミンCが健康に良い成分であることは知られているため、血管にも良い影響を与えると考えやすいです。混同注意:すべての血管内皮障害に有効というわけではなく、改善効果が見られる状況とそうでない状況が混同されやすいです。
国試ポイント
この問題は、血流依存性血管拡張反応(FMD)に影響を与える様々な生理的・薬理的因子に関する基本的な知識を問うものです。特に、日常的に摂取する食品や習慣が血管内皮機能にどのような影響を与えるかを理解しているかが試されます。
混同注意
FMDに影響を与える多くの因子の中で、日常的な生理的活動(飲水など)と、薬理作用を持つ物質(カフェインなど)や生活習慣(喫煙)との違いを明確に区別することが重要です。特に、影響が『ない』因子を選ぶ問題形式のため、他の選択肢が『ある』ことを正確に理解する必要があります。
次に同じ論点が出たら
次回、FMDに関連する問題が出題された場合、FMDの測定原理(駆血、NO、超音波)、FMDが低下する疾患(高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満など)、FMDを改善する介入(運動、食事改善、特定の薬剤)などに着目して解答を検討します。
関連知識
FMDは、上腕動脈を駆血し、解除後の血流増加による血管拡張反応を超音波で測定する方法です。一酸化窒素(NO)の産生能を反映すると考えられており、動脈硬化の早期診断や生活習慣病の評価に用いられます。関連する知識としては、血管内皮の機能、NOの役割、酸化ストレス、女性ホルモン(エストロゲン)の血管作用などがあります。