尿試験紙法による検査でビタミンC内服の影響が小さいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
尿試験紙法における多くの項目は、酸化還元反応を利用しているため、強力な還元剤であるビタミンC(アスコルビン酸)の影響を受け、偽陰性を示すことがあります。しかし、尿蛋白の検出はプロテインエラー法という色素指示薬のpH変化に基づく原理であり、ビタミンCの還元作用とは直接関係がないため、影響を受けにくいとされています。
選択肢ごとの解説
- 1. ビタミンCは還元作用を持つため、試験紙の呈色反応(酵素反応)を阻害し、偽陰性の原因となります。正しくは:ビタミンCの影響を受けないように、酵素反応ではない別の測定原理(例:銅還元法)を使用するか、測定前にビタミンCを除去する方法を検討する。選びやすい理由:ビタミンCが還元物質であるという知識はあっても、具体的な影響(偽陰性)まで結びつかない場合、正答と誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:ビタミンCが引き起こす「偽陽性」と「偽陰性」の影響を混同しやすいです。尿糖検査では偽陰性です。
- 2. ビタミンCの還元作用により、試験紙のペルオキシダーゼ様活性を利用した呈色反応が阻害され、偽陰性の原因となります。正しくは:ビタミンCの影響を受けにくい代替法(例:顕微鏡検査による赤血球数の確認)を行うか、測定前にビタミンCを除去する。選びやすい理由:尿潜血の検査は一般的な項目であり、ビタミンCの影響が大きいことを忘れがちです。混同注意:尿糖と同様に、ビタミンCの還元作用による酵素反応阻害が原因で偽陰性となることを、他の検査項目(例:ビリルビンで偽陰性、亜硝酸塩で偽陰性)と混同しやすいです。
- 3. 正解。尿試験紙法による尿蛋白の検出は、主に色素指示薬(例:テトラブロモフェノールブルー)が蛋白の存在によって色調変化を起こすプロテインエラー法に基づいており、ビタミンCの還元作用の影響をほとんど受けません。混同注意:他の多くの尿試験紙項目でビタミンCが偽陰性を引き起こすため、尿蛋白も影響を受けると誤解する可能性があります。
- 4. 尿中亜硝酸塩の検出は、ジアゾ化反応とカップリング反応を利用しますが、ビタミンCの還元作用がジアゾ化反応を阻害するため、偽陰性の原因となります。正しくは:尿路感染症の疑いがある場合は、尿沈渣での細菌数確認や尿培養検査を優先する。選びやすい理由:尿路感染症のスクリーニングとして重要な項目であるため、その限界を認識していないと見落としがちです。混同注意:この項目もビタミンCの還元作用により偽陰性となるため、尿糖や尿潜血と同様に影響を受ける項目として覚える必要があります。
- 5. 尿中ビリルビンの検出は、ジアゾカップリング反応を利用しますが、ビタミンCの還元作用がこの反応を阻害するため、偽陰性の原因となります。正しくは:ビリルビン検出に別の方法(例:Fouchet's試薬を用いた沈殿反応)を検討するか、測定前にビタミンCを除去する。選びやすい理由:黄疸の指標として非常に重要な項目であり、偽陰性を見逃すと診断に影響が出る可能性があるため注意が必要です。混同注意:尿中ビリルビンは光の影響も受けやすいですが、この問題ではビタミンCの影響に焦点が当てられています。還元作用による偽陰性を理解しておく必要があります。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、尿試験紙法における各測定項目の原理と、内服薬や検体保存などの外的要因が検査結果に与える影響について頻繁に問われます。特に、ビタミンCが多くの項目で偽陰性を引き起こすという知識は重要です。どの項目が影響を受けにくいか、あるいはなぜ影響を受けるのかを原理と結びつけて理解しているかが問われています。
混同注意
ビタミンCが偽陽性を示す項目(例:尿ケトン体の一部試験紙)と偽陰性を示す項目を混同しやすい。また、ビタミンCによる影響が「偽陽性」なのか「偽陰性」なのかを正しく覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、まず「各検査項目の測定原理」を想起し、次に「ビタミンCが還元剤であること」を結びつけて、どの原理が還元作用の影響を受けやすいかを判断する。特に酵素反応やジアゾ化反応を利用する項目は注意が必要だと判断する。
関連知識
尿試験紙法の原理(酵素法、プロテインエラー法、ジアゾ化反応など)、各疾患と尿検査項目の関連、尿検体の適切な取り扱いと保存方法。