皮膚に付着していた虫体(体長2.5 mm)の写真(別冊No. 2)を別に示す。この虫が引き起こすのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
画像に示された体長2.5mmの虫体はマダニの特徴を示しており、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はマダニが媒介する主要なウイルス感染症の一つです。他の選択肢は、媒介動物が異なるか、病原体が異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 疥癬はヒゼンダニによって引き起こされる疾患で、写真の虫体(マダニ)とは異なります。ヒゼンダニはさらに小さく、肉眼では見えにくいことが多いです。正しくは:この虫はマダニなので、疥癬は引き起こしません。選びやすい理由:皮膚に付着する虫という点で、皮膚疾患と関連付けやすいかもしれませんが、虫の種類が異なります。混同注意:疥癬の病原体であるヒゼンダニと、写真のマダニを混同する可能性があります。
- 2. ペストはペスト菌によって引き起こされ、主にノミ(特にケオプスネズミノミ)が媒介します。写真の虫体(マダニ)とは媒介動物が異なります。正しくは:ペストの媒介動物はノミであり、マダニではありません。選びやすい理由:過去に流行した感染症として知識があるかもしれませんが、媒介動物が異なります。混同注意:他の感染症の媒介動物(例えば、シラミ、カ)と、写真のマダニを混同する可能性があります。
- 3. 発疹チフスはリケッチアの一種である発疹チフスリケッチアによって引き起こされ、主にヒトジラミが媒介します。写真の虫体(マダニ)とは媒介動物が異なります。正しくは:発疹チフスの媒介動物はヒトジラミであり、マダニではありません。選びやすい理由:発熱を伴うリケッチア感染症として知識があるかもしれませんが、媒介動物が異なります。混同注意:つつが虫病(ツツガムシが媒介するリケッチア感染症)と混同し、リケッチア感染症全般をマダニと結びつける可能性があります。
- 4. ツツガムシ病はツツガムシによって媒介されます。ツツガムシはマダニとは異なるダニの一種であり、写真の虫体(マダニ)とは異なります。ツツガムシは体長0.2〜0.5mmとマダニより非常に小さいです。正しくは:ツツガムシ病の媒介動物はツツガムシであり、マダニではありません。選びやすい理由:マダニと同じくダニの一種が媒介する感染症であるため、混同しやすいです。混同注意:ダニ媒介感染症という共通点から、ツツガムシとマダニを混同する可能性があります。特に、どちらもリケッチア感染症を引き起こすことがあります。
- 5. 正解。写真の虫体はマダニであり、体長2.5mmという記述からもマダニであることが示唆されます。重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、SFTSウイルスによる感染症で、主にマダニが媒介することが知られています。選びやすい理由:他のダニ媒介感染症との鑑別が重要となります。
国試ポイント
この問題は、媒介動物の写真(形態学的特徴とサイズ)から特定の感染症を特定できる知識を問うものです。特にマダニ媒介性疾患に関する知識が重要です。
混同注意
マダニが媒介する感染症と、他のダニ(ツツガムシ、ヒゼンダニなど)が媒介する感染症を混同しやすい。また、マダニ以外の吸血性昆虫(ノミ、シラミ、蚊など)が媒介する感染症との区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、写真の虫体がマダニであることを認識し、マダニ媒介性疾患の中から選択できるかを確認します。特に、SFTS以外の主要なマダニ媒介性疾患も選択肢に含まれる可能性があるので、それぞれの特徴を比較検討できるように準備しておきます。
関連知識
マダニが媒介する主な感染症には、SFTSの他に日本紅斑熱、ライム病、回帰熱、Q熱、ダニ媒介脳炎などがあります。それぞれの病原体、症状、地理的分布についても理解しておく必要があります。