肝吸虫症の対策として正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
肝吸虫は淡水巻貝(第1中間宿主)と淡水魚(第2中間宿主)を宿主とするため、川魚の生食をやめることで感染源を断つことができます。また、ヒトの糞便中に排泄された虫卵が淡水中に放出されると、第1中間宿主である淡水巻貝に摂取され、感染サイクルが成立するため、適切な排泄場所としてトイレを利用することは感染拡大防止に繋がります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。肝吸虫の第2中間宿主はコイ科などの淡水魚であり、その生食によってヒトに感染します。したがって、川魚の生食をやめることは感染予防に直結します。選びやすい理由:肝吸虫の感染経路として代表的であり、直接的な予防策であるため選びやすいです。混同注意:淡水魚を中間宿主とする他の寄生虫(例えば、横川吸虫など)の対策としても共通するため、寄生虫の種類による中間宿主の違いを混同しやすいです。
- 2. 川での水浴びは、日本住血吸虫のようにセルカリアが皮膚から侵入する寄生虫の感染対策には有効ですが、肝吸虫は経口感染であるため、この対策は直接的な予防策ではありません。正しくは:日本住血吸虫の対策として有効です。選びやすい理由:一般的な寄生虫予防策として水域との接触を避けるという考え方があるため、選びやすいです。混同注意:日本住血吸虫などの経皮感染型吸虫症の対策と混同しやすいです。
- 3. 正解。肝吸虫の虫卵はヒトの糞便中に排泄され、それが淡水中に排出されることで第1中間宿主である巻貝に感染します。トイレで適切に排便することで、虫卵の拡散を防ぎ、感染サイクルを遮断することができます。選びやすい理由:公衆衛生の基本的な対策であり、感染症の拡大防止に有効であるため選びやすいです。混同注意:土壌媒介性線虫や他の糞口感染経路の感染症の対策としても有効であるため、一般的な衛生対策として混同しやすいです。
- 4. 蚊帳の使用は蚊が媒介する感染症(マラリア、デング熱、日本脳炎など)の対策には有効ですが、肝吸虫は蚊によって媒介されないため、この対策は無関係です。正しくは:マラリア、デング熱、日本脳炎などの蚊媒介感染症の対策として有効です。選びやすい理由:寄生虫感染症や感染症全般の予防策として認識されているため、選びやすいです。混同注意:蚊媒介感染症の対策と混同しやすいです。
- 5. 熱処理の不十分な豚肉を食べないことは、トキソプラズマ症や有鉤条虫症などの寄生虫感染症の対策として有効ですが、肝吸虫は主に淡水魚を介して感染するため、豚肉は直接的な感染源ではありません。正しくは:トキソプラズマ症や有鉤条虫症の対策として有効です。選びやすい理由:食品媒介性寄生虫症の予防策として一般的であり、肉類の生食に関する注意は多いため選びやすいです。混同注意:トキソプラズマ症や有鉤条虫症など、豚肉が感染源となる他の寄生虫感染症の対策と混同しやすいです。
国試ポイント
肝吸虫の生活環と感染経路(特に中間宿主)を理解し、それに基づいた感染対策を覚えることが重要です。
混同注意
肝吸虫と他の寄生虫(日本住血吸虫、広節裂頭条虫など)の生活環や感染経路、および各寄生虫に対する対策が混同しやすいです。特に吸虫類は中間宿主が複雑なため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
寄生虫問題が出題された際は、まずその寄生虫の生活環(特に中間宿主や感染経路)を想起し、その生活環のどこを断ち切れば感染を予防できるかを判断します。
関連知識
日本における重要な寄生虫感染症の種類、それぞれの感染経路(経口感染、経皮感染、媒介動物など)、および各感染症に対する具体的な予防策(加熱、手洗い、蚊対策、衛生的な排泄処理など)を関連付けて学習すると良いでしょう。特に食品由来感染症の対策はまとめて覚えることが推奨されます。