診断の根拠になる自己抗体と疾患の組合せはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
混合性結合組織病(MCTD)は、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎の症状が混合してみられる疾患群であり、診断には高力価の抗U1-RNP抗体が特徴的なマーカーとして用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 抗平滑筋抗体は主に自己免疫性肝炎の診断マーカーであり、リウマチ熱とは関連がありません。正しくは:自己免疫性肝炎選びやすい理由:どちらも炎症性疾患であるため、関連があるように思えるかもしれませんが、自己抗体の特異性は異なります。混同注意:リウマチ熱は溶連菌感染後の合併症であり、特定の自己抗体が診断根拠となる自己免疫疾患とは性質が異なります。
- 2. 抗ミトコンドリア抗体は、原発性胆汁性胆管炎(PBC)の診断に極めて特異性の高い自己抗体です。強皮症の主要な自己抗体ではありません。正しくは:原発性胆汁性胆管炎〈PBC〉選びやすい理由:強皮症も自己免疫疾患であり、様々な自己抗体と関連するため、誤って選択する可能性があります。混同注意:強皮症では抗セントロメア抗体や抗Scl-70抗体などが特異的です。
- 3. 抗CCP抗体は関節リウマチの診断に非常に有用な自己抗体です。ベーチェット病とは関連がありません。正しくは:関節リウマチ選びやすい理由:どちらも炎症性疾患であり、診断に特定のマーカーが用いられることから、誤解を招くかもしれません。混同注意:ベーチェット病には特異的な自己抗体はなく、臨床症状や遺伝学的要因(HLA-B51)が診断基準となります。
- 4. 正解。抗RNP抗体は、混合性結合組織病(MCTD)の診断に必須とされる自己抗体であり、その高力価はMCTDの主要な特徴です。
- 5. 抗TSH受容体抗体は、甲状腺を刺激することで甲状腺機能亢進症(バセドウ病)を引き起こす自己抗体です。シェーグレン症候群とは関連がありません。正しくは:バセドウ病選びやすい理由:シェーグレン症候群も内分泌疾患との合併がみられることがありますが、この自己抗体とは直接関係ありません。混同注意:シェーグレン症候群では抗SSA/Ro抗体、抗SSB/La抗体が特異的です。
国試ポイント
自己免疫疾患の診断に用いられる主要な自己抗体とその関連疾患の組み合わせについて、正確な知識が問われています。特に、各自己抗体の特異性や、ある疾患に特徴的な自己抗体、または複数の疾患で陽性となる可能性のある自己抗体などを区別できるかどうかが重要です。
混同注意
各自己抗体がどの疾患に特異的であるか、あるいはどの疾患群で陽性となるかを正確に把握していないと、類似の自己免疫疾患間で混同しやすいです。例えば、抗核抗体のように多くの結合組織病で陽性となる抗体と、抗CCP抗体のように特定の疾患に非常に特異的な抗体を区別すること。
次に同じ論点が出たら
次回同様の論点が出題された場合、選択肢の自己抗体がその疾患に対して「特異的」であるか、「感度が高い」か、あるいは「診断基準の一部」であるかといった、自己抗体の臨床的意義をより深く問われる可能性があります。また、自己抗体の標的分子や、偽陽性/偽陰性に関する知識も問われるかもしれません。
関連知識
主要な自己免疫疾患(SLE、RA、強皮症、シェーグレン症候群、MCTD、自己免疫性肝炎、PBC、バセドウ病など)の診断マーカーとなる自己抗体の種類、その標的抗原、および臨床的意義を理解しておく必要があります。また、自己抗体以外の診断基準(臨床症状、病理所見、遺伝学的要因など)についても関連付けて学習すると良いでしょう。