MHC分子について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
MHCクラスII分子は、ヒトではHLA-DR, DQ, DPとして知られており、マクロファージ、B細胞、樹状細胞などの抗原提示細胞の表面に発現し、外来性抗原をヘルパーT細胞(CD4陽性T細胞)に提示します。
選択肢ごとの解説
- 1. MHCクラスI分子は、細胞傷害性T細胞(キラーT細胞、CD8陽性T細胞)と結合します。ヘルパーT細胞(CD4陽性T細胞)と結合するのはMHCクラスII分子です。正しくは:MHCクラスI分子は細胞傷害性T細胞(CD8陽性T細胞)と結合します。選びやすい理由:T細胞との結合という点で、誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:MHCクラスI分子とII分子がそれぞれどのT細胞サブセット(CD4陽性T細胞またはCD8陽性T細胞)と相互作用するかを混同しやすいです。
- 2. MHCクラスI分子は、細胞内で合成された自己のタンパク質断片やウイルス感染細胞内で産生されたウイルスタンパク質断片などの内因性抗原を提示します。外部から取り込まれた(食作用などで細胞内に取り込まれた)外来性抗原を提示するのはMHCクラスII分子です。正しくは:MHCクラスI分子は、細胞内で合成された(内因性の)タンパク質抗原を提示します。選びやすい理由:抗原提示分子という大きな枠組みで捉えると、どちらのMHC分子も抗原提示に関わるため、誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:MHCクラスI分子とII分子がそれぞれ内因性抗原と外来性抗原のどちらを提示するかを混同しやすいです。
- 3. 正解。MHCクラスII分子はヒト白血球型抗原(HLA)システムの一部であり、具体的にはHLA-DR、HLA-DQ、HLA-DPの3つのタイプが存在します。
- 4. 正解。MHCクラスII分子は主に抗原提示細胞(APC)に発現しており、マクロファージはその代表的な細胞の一つです。他に樹状細胞やB細胞などにも発現しています。
- 5. β2-ミクログロブリンはMHCクラスI分子の軽鎖として結合しています。MHCクラスII分子はα鎖とβ鎖から構成され、β2-ミクログロブリンは結合しません。正しくは:MHCクラスI分子にはβ2-ミクログロブリンが結合しています。選びやすい理由:MHC分子の構造の一部としてβ2-ミクログロブリンの名前を聞いたことがある場合、どちらのクラスに結合するかを誤認する可能性があります。混同注意:MHCクラスI分子とII分子の構成要素(特にβ2-ミクログロブリンがどちらに結合するか)を混同しやすいです。
国試ポイント
MHCクラスI分子とクラスII分子の構造、発現細胞、提示する抗原の種類、結合するT細胞の種類といった基本的な違いを正確に理解しているかが問われています。特に、HLAのサブタイプ名やβ2-ミクログロブリンがどちらに結合するかは頻出の知識です。
混同注意
MHCクラスIとクラスIIの役割、発現細胞、結合T細胞、構成サブユニット(特にβ2-ミクログロブリンの有無)は混同しやすいため、それぞれを明確に区別して覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
MHC分子に関する問題が出た場合、まずMHCクラスIとMHCクラスIIのどちらについて問われているかを確認し、それぞれの特徴(発現細胞、提示抗原、結合T細胞、構造)を対比させながら正誤を判断します。
関連知識
MHCの役割(自己と非自己の認識)、HLAの疾患関連、T細胞の活性化メカニズム、樹状細胞やB細胞の役割。