子宮頸部細胞診でコイロサイトに関係する微生物はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
コイロサイトは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染によって引き起こされる子宮頸部細胞の病理学的変化を指します。具体的には、核周囲のハロー(空胞化)、核の腫大・濃染、細胞質の辺縁化といった特徴を持つ表層細胞または中間層細胞として観察されます。これらの細胞学的特徴は、HPV感染の直接的な指標となり、子宮頸がんの前駆病変(異形成)の診断において非常に重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. カンジダは真菌の一種で、細胞診では偽菌糸や芽胞として観察されますが、コイロサイトの形成には関与しません。正しくは:カンジダは真菌性膣炎の原因となり、偽菌糸や芽胞として細胞診で検出されます。選びやすい理由:膣炎の原因となる微生物として一般的なため、選択肢として考慮される可能性があります。混同注意:コイロサイトはウイルス性変化であり、真菌であるカンジダによる細胞変化とは異なります。
- 2. トリコモナスは原虫の一種で、子宮頸部細胞診では洋ナシ型の微生物として検出され、炎症性の背景や好中球浸潤を伴いますが、コイロサイトの形成には関与しません。正しくは:トリコモナスはトリコモナス膣炎の原因となり、特徴的な形態で細胞診で観察されます。選びやすい理由:膣炎の原因となる微生物としてよく知られているため、誤って関連付ける可能性があります。混同注意:コイロサイトはウイルス性変化であり、原虫であるトリコモナスによる細胞変化とは異なります。
- 3. ヘルペスウイルスは核内封入体や多核巨細胞、クロマチン辺縁化といった細胞変化を引き起こしますが、コイロサイトの形成とは関連しません。コイロサイトはHPVに特異的な細胞学的特徴です。正しくは:ヘルペスウイルスは核内封入体、クロマチン辺縁化、多核巨細胞などの細胞学的特徴を示します。選びやすい理由:ウイルス感染による細胞変化であるため、混同しやすいかもしれません。混同注意:コイロサイトはHPV感染の特徴であり、ヘルペスウイルスの特徴的な細胞変化とは異なります。
- 4. デーデルライン桿菌(乳酸桿菌)は正常な膣内細菌叢の主要な構成菌であり、炎症や異常細胞変化の原因ではありません。コイロサイトとは無関係です。正しくは:デーデルライン桿菌は膣内の正常細菌叢を形成し、膣の健康維持に寄与します。選びやすい理由:膣に存在する細菌であるため、知識の曖昧さから選んでしまう可能性があります。混同注意:デーデルライン桿菌は常在菌であり、病原体による細胞変化であるコイロサイトとは全く関係ありません。
- 5. 正解。コイロサイトは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染によって引き起こされる特徴的な細胞学的変化です。核の不整や濃染、細胞質の空胞化を伴う表層細胞として定義され、HPV感染の診断に重要な指標となります。選びやすい理由:子宮頸部細胞診の主要な目的の一つがHPV感染に起因する異形成のスクリーニングであるため、この関連性は基本知識として重要です。
国試ポイント
子宮頸部細胞診における重要な細胞学的特徴と、それが関連する主要な病原体(特にHPV)の知識が問われています。コイロサイトの定義とその病原体との関連性は、この分野の基本的な理解として必須です。また、他の一般的な膣内微生物による細胞変化との鑑別も重要となります。
混同注意
コイロサイトと、ヘルペスウイルス感染による核内封入体や多核巨細胞、あるいはカンジダやトリコモナスによる炎症性変化を混同しやすいです。それぞれ特徴的な細胞像を示すため、正確な鑑別が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出題された場合、コイロサイトの形態学的特徴(核周囲ハロー、核腫大・濃染)や、他のウイルス感染(例:ヘルペスウイルス)や真菌・原虫感染(例:カンジダ、トリコモナス)による細胞変化との鑑別点を問われる可能性が高いです。
関連知識
HPV感染と子宮頸がんの関連性、子宮頸がん検診の意義、細胞診における異形成のグレード分類(ASC-US, LSIL, HSILなど)、およびHPVワクチンの役割。