必須脂肪酸はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
必須脂肪酸とは、生体内で合成できない、あるいは必要量を合成できないため、食物から摂取しなければならない脂肪酸のことです。ヒトの場合、リノール酸(n-6系)とα-リノレン酸(n-3系)がこれに該当します。これらは、体内で合成できない特定の二重結合の位置を持つため、必須とされています。他の選択肢のオレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸は体内で合成可能です。ドコサヘキサエン酸(DHA)は、必須脂肪酸であるα-リノレン酸から体内で合成されるため、DHAそのものは必須脂肪酸ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. オレイン酸は一価不飽和脂肪酸であり、体内で合成可能です。特に、炭水化物や飽和脂肪酸からアセチルCoAを経て合成されます。正しくは:リノール酸は必須脂肪酸であり、体内で合成できないため食事からの摂取が必須です。選びやすい理由:不飽和脂肪酸であるため、必須脂肪酸と混同しやすいですが、その不飽和結合の位置(n-9系)が体内で合成可能なため必須ではありません。混同注意:必須脂肪酸であるリノール酸(n-6系)やα-リノレン酸(n-3系)と混同しやすいです。
- 2. 正解。リノール酸はn-6系の多価不飽和脂肪酸であり、動物の体内では合成できない二重結合の位置(ω-6位)を持つため、必須脂肪酸とされています。食事からの摂取が不可欠です。
- 3. ステアリン酸は飽和脂肪酸であり、体内でアセチルCoAから合成可能です。食事からの摂取は必須ではありません。正しくは:リノール酸は必須脂肪酸であり、体内で合成できないため食事からの摂取が必須です。選びやすい理由:脂肪酸の一種であるため、他の脂肪酸と区別がつかないと誤って選択しやすいです。混同注意:必須脂肪酸であるリノール酸やα-リノレン酸と混同しやすいです。
- 4. パルミチン酸は最も一般的な飽和脂肪酸であり、体内でアセチルCoAから容易に合成可能です。食事からの摂取は必須ではありません。正しくは:リノール酸は必須脂肪酸であり、体内で合成できないため食事からの摂取が必須です。選びやすい理由:脂肪酸の代表格の一つであるため、知識が曖昧だと必須脂肪酸と誤認しやすいです。混同注意:必須脂肪酸であるリノール酸やα-リノレン酸と混同しやすいです。
- 5. ドコサヘキサエン酸(DHA)はn-3系の多価不飽和脂肪酸ですが、体内で必須脂肪酸であるα-リノレン酸から合成されます。そのため、DHA自体は必須脂肪酸ではありません(ただし、重要な生理活性を持つため摂取が推奨されます)。正しくは:リノール酸は必須脂肪酸であり、体内で合成できないため食事からの摂取が必須です。選びやすい理由:「必須脂肪酸」という言葉のニュアンスから、DHAのような生体にとって重要な脂肪酸を必須と誤解しやすいです。特に、魚油などに豊富に含まれ、健康効果が高いことで知られているため、必須であると考えがちです。混同注意:必須脂肪酸であるα-リノレン酸(n-3系)やリノール酸(n-6系)と、それらから体内で合成されるDHAやアラキドン酸などの二次的な多価不飽和脂肪酸とを混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、必須脂肪酸が具体的にどの脂肪酸であるかという知識を問うものです。特に、必須脂肪酸であるリノール酸とα-リノレン酸(ただし選択肢にはない)を正確に覚え、体内で合成可能な脂肪酸や、必須脂肪酸から合成されるが必須ではない脂肪酸(例: DHA)とを区別できるかがポイントとなります。
混同注意
必須脂肪酸とその派生脂肪酸(例:α-リノレン酸とDHA、リノール酸とアラキドン酸)、および体内で合成可能な不飽和脂肪酸(例:オレイン酸)との区別が曖昧になりがちです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が問われた場合、リノール酸とα-リノレン酸を正確に選択できるか、またDHAやアラキドン酸が必須脂肪酸ではない理由を説明できるかを確認します。
関連知識
必須脂肪酸の欠乏症状(皮膚炎、成長障害など)、n-3系脂肪酸(α-リノレン酸、EPA、DHA)とn-6系脂肪酸(リノール酸、アラキドン酸)の生理機能の違い、これらがプロスタグランジンなどのエイコサノイドの原料となること。