末梢血のMay-Giemsa染色標本〔別冊No.12A〕及びペルオキシダーゼ染色標本〔別冊No.12B〕を別に示す。考えられるのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
May-Giemsa染色標本(No.12A)では核が大きく細胞質にアズール顆粒を認め、幼若な骨髄系細胞(芽球)を示唆します。ペルオキシダーゼ染色標本(No.12B)では、この幼若細胞の細胞質に陽性顆粒を認め、これは骨髄系細胞の特徴であるミエロペルオキシダーゼ活性を示しており、急性骨髄性白血病の診断に合致します。
選択肢ごとの解説
- 1. 伝染性単核球症では異型リンパ球が出現するが、ペルオキシダーゼ染色では陰性である。正しくは:異型リンパ球は活性化されたTリンパ球であり、May-Giemsa染色では大型で不整形な核、豊富な細胞質を持つが、ペルオキシダーゼ染色陰性である。選びやすい理由:大型の細胞が認められるため、形態のみで判断すると異型リンパ球と混同する可能性がある。混同注意:異型リンパ球
- 2. 正解。May-Giemsa染色で芽球様の細胞、ペルオキシダーゼ染色で陽性であることから、骨髄系芽球の増殖を特徴とする急性骨髄性白血病に合致する。選びやすい理由:画像所見が教科書的な急性骨髄性白血病の典型例であり、判断しやすい。混同注意:急性リンパ性白血病
- 3. 成人T細胞白血病では、異常なリンパ球(ATL細胞)が出現するが、ペルオキシダーゼ染色では陰性である。正しくは:成人T細胞白血病のATL細胞は、May-Giemsa染色で多形性を示す核(クローバー葉状核など)を持つが、ペルオキシダーゼ染色陰性である。選びやすい理由:白血病の一種であるため、他の白血病と混同する可能性がある。混同注意:他のリンパ増殖性疾患
- 4. 慢性リンパ性白血病では、成熟した小型リンパ球の単クローン性増殖が特徴であり、画像のような大型の芽球やペルオキシダーゼ陽性細胞は認められない。正しくは:慢性リンパ性白血病では、小型で成熟したリンパ球が多数認められ、ペルオキシダーゼ染色陰性である。選びやすい理由:「白血病」という点で選択肢として考慮される可能性があるが、細胞形態が大きく異なる。混同注意:急性白血病
- 5. 原発性マクログロブリン血症は形質細胞リンパ腫の一種で、異常な形質細胞やリンパ球が出現するが、ペルオキシダーゼ染色では陰性である。正しくは:原発性マクログロブリン血症では、リンパ形質細胞様細胞が主体であり、ペルオキシダーゼ染色陰性である。選びやすい理由:珍しい疾患であるため知識が曖昧だと選択しやすくなるが、画像所見とは明らかに異なる。混同注意:多発性骨髄腫などの形質細胞疾患
国試ポイント
急性白血病の鑑別において、末梢血塗抹標本での細胞形態観察と細胞化学染色結果を正確に判断できるかどうかが問われる。特にミエロペルオキシダーゼ染色が骨髄系芽球の同定に重要。
混同注意
リンパ系白血病の芽球は、形態的に骨髄系芽球と似ていることがあるため、細胞化学染色(ミエロペルオキシダーゼ染色など)や免疫学的表面マーカー検査との組み合わせで鑑別する必要がある。
次に同じ論点が出たら
同様の画像問題が出題された際は、まずMay-Giemsa染色での細胞の形態(特に核形、核小体、細胞質顆粒の有無)を確認し、次に細胞化学染色(ペルオキシダーゼ染色、エステラーゼ染色など)の結果と組み合わせて細胞系統を判断する。
関連知識
急性白血病の診断には、末梢血・骨髄検査による芽球の割合(20%以上が診断基準)と、細胞形態、細胞化学染色、免疫学的表面マーカー、遺伝子検査の結果を総合的に判断することが必要である。