血管拡張作用をもつのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
プロスタサイクリン(PGI2)は血管内皮細胞で産生される生理活性物質であり、強力な血管拡張作用と血小板凝集抑制作用を持つことで知られています。これは、トロンボキサンA2の血管収縮作用や血小板凝集作用と拮抗し、血管の恒常性維持に重要な役割を果たしています。
選択肢ごとの解説
- 1. セロトニンは、血管の種類や受容体の種類によって収縮作用と拡張作用の両方を示すことがありますが、一般的には血管収縮作用が強調されることが多いです。特に大血管では収縮作用が優位です。正しくは:セロトニンは主に血管収縮作用を持ちます。選びやすい理由:神経伝達物質であり、多様な生理作用を持つため、血管作用も複雑であることから選択肢として紛らわしい可能性があります。混同注意:ヒスタミン(血管拡張作用を持つ)などの他の血管作用物質と混同しやすいかもしれません。
- 2. エピネフリンは、受容体の種類(α受容体またはβ2受容体)と濃度によって血管収縮と血管拡張の両方の作用を示します。通常、末梢血管ではα受容体を介した血管収縮作用が優位ですが、骨格筋や心臓の血管ではβ2受容体を介した血管拡張作用を示します。しかし、一般的に「血管収縮作用」を持つ物質として認識されることが多いです。正しくは:エピネフリンは、濃度や受容体部位によって血管収縮作用と血管拡張作用の両方を示しますが、多くの場合、血管収縮作用が支配的です。選びやすい理由:アドレナリン注射がアナフィラキシーショック(血管拡張による血圧低下)の治療に使われるため、拡張作用があるという印象を持つかもしれませんが、これは主に心拍出量増加と末梢での選択的な収縮作用による血圧維持が主目的です。混同注意:アセチルコリン(血管拡張作用)など、他の神経伝達物質の作用と混同しやすいです。
- 3. トロンボキサンA2は、主に血小板から産生され、強力な血管収縮作用と血小板凝集作用を持ちます。正しくは:トロンボキサンA2は強力な血管収縮作用を持ちます。選びやすい理由:プロスタグランジン類の一種であり、プロスタサイクリンと名前が似ているため、混乱しやすいです。混同注意:プロスタサイクリン(血管拡張作用)と混同しやすいです。これらは拮抗する作用を持ちます。
- 4. 正解。プロスタサイクリン(PGI2)は血管内皮細胞から産生され、強力な血管拡張作用と血小板凝集抑制作用を持つことで知られています。選びやすい理由:血管拡張作用を持つ代表的な物質の一つであり、正しい選択肢です。混同注意:トロンボキサンA2と混同しないように注意が必要です。
- 5. ADPは主に血小板から放出され、他の血小板の凝集を促進する作用があります。血管作用としては直接的な強力な血管拡張作用は一般的ではありません。正しくは:ADPは主に血小板凝集作用を持ちます。血管作用は血小板凝集に関連します。選びやすい理由:ATP(血管内皮細胞由来のATPは血管拡張作用を持つ)と構造が似ているため、その作用と混同しやすいかもしれません。混同注意:ATP(血管拡張作用)やアデノシン(血管拡張作用)と混同しやすいです。
国試ポイント
本問題は、生理活性物質の血管作用(特に血管拡張作用)に関する基本的な知識を問うものです。特にプロスタサイクリンとトロンボキサンA2の対照的な作用は頻出のポイントです。
混同注意
プロスタサイクリンとトロンボキサンA2は、ともにプロスタグランジン誘導体でありながら、血管作用が拮抗するため、非常に混同しやすいです。また、エピネフリンのように、濃度や受容体部位によって作用が異なる物質も混同の元となりえます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、主要な血管作用物質(血管拡張・血管収縮)の種類と、それぞれの産生源、作用機序(受容体など)を正確に理解しているかが問われるでしょう。特に、拮抗作用を持つペア(例:プロスタサイクリンとトロンボキサンA2、NOとエンドセリン)に注目すると良いでしょう。
関連知識
血管拡張作用を持つ他の物質には、一酸化窒素(NO)、ブラジキニン、ヒスタミン、アセチルコリン(内皮依存性)、ATP(内皮由来)、アデノシンなどがあります。血管収縮作用を持つ物質には、エンドセリン、アンジオテンシンII、バソプレシン、ノルエピネフリン、トロンボキサンA2などがあります。