健常者の末梢血のニューメチレンブルー染色標本(別冊No. 13)を別に示す。矢印が示す細胞について正しいのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
画像はニューメチレンブルー染色で青く染まる網状の物質(リボソームRNA)を持つ網赤血球を示しており、この細胞の末梢血中での割合を測定することで、骨髄における赤血球産生能を評価できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。網赤血球は骨髄で産生された直後の未熟な赤血球であり、末梢血中の網赤血球数は骨髄の赤血球産生能力を反映するため、赤血球の産生状態を示す指標となります。選びやすい理由:正しい記述であるため、迷うことなく選ばれます。
- 2. 鉄欠乏性貧血では、鉄が不足しているため赤血球の産生が抑制され、網赤血球の産生も減少します。したがって、増加するのではなく減少することが一般的です。正しくは:鉄欠乏性貧血の際には減少する。治療(鉄剤投与)により増加する。選びやすい理由:貧血の種類によっては網赤血球が増加するものもある(例:溶血性貧血)ため、貧血と網赤血球数の関係性を混同しやすいです。混同注意:溶血性貧血、出血性貧血など、赤血球破壊・喪失による貧血(再生亢進性貧血)における網赤血球の増加。
- 3. 網赤血球のリボソームRNAは時間とともに分解され、成熟赤血球へと変化します。したがって、採血後に検体を放置すると、網赤血球は成熟し、その数は減少します。正しくは:採血後に検体を放置するとその数は減少する。選びやすい理由:検体の処理方法に関する知識が不十分だと、変化しない、あるいは他の成分との混同から増加すると誤解する可能性があります。
- 4. ニューメチレンブルー染色で青く染まる物質は、網赤血球に残存するリボソームRNAであり、ヘモグロビンの変性によって生じるものではありません。ヘモグロビンの変性によって生じるのはハインツ小体などで、これは超生体染色で可視化されますが、網状構造とは異なります。正しくは:青く染まる物質はリボソームRNAである。選びやすい理由:細胞内の青染性物質という点から、ハインツ小体(超生体染色で青く染まるヘモグロビン変性物)と混同しやすいです。混同注意:ハインツ小体(ヘモグロビン変性物)、パッペンハイマー小体(鉄顆粒)。
- 5. 健常者の末梢血中の網赤血球の基準値は、通常、赤血球の0.5〜1.5%程度、絶対数では約2.5〜8.5万/μLの範囲です。3,000〜10,000/μLは白血球の基準値に近く、網赤血球の絶対数としては少なすぎます。正しくは:健常者の末梢血中には2.5万〜8.5万/μL程度の範囲で存在する(赤血球の0.5〜1.5%)。選びやすい理由:血液細胞の基準値に関する知識が曖昧だと、他の細胞(特に白血球)の基準値と混同しやすいです。混同注意:白血球の基準値。
国試ポイント
網赤血球の同定、生理的意義、疾患との関連、検査法、基準値を覚えることが重要です。
混同注意
網赤血球と他の赤血球系細胞(成熟赤血球、有核赤血球、変形赤血球など)との形態学的特徴、および青染性物質と他の封入体(ハインツ小体、パッペンハイマー小体など)との鑑別が混同しやすい点です。
次に同じ論点が出たら
網赤血球の画像問題では、まず染色法(ニューメチレンブルー染色)と細胞内に残存するRNAの青い網状構造の有無を確認します。次に、その細胞が赤血球系の未熟な細胞であることを理解し、その生理的意義や臨床的意義を判断します。
関連知識
貧血の分類(再生不良性貧血、溶血性貧血、鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血など)と網赤血球数・比率の関係、網赤血球数の測定法(フローサイトメトリーなど)、未熟網赤血球比率(IRF)などの新しい指標についても関連知識として習得すべきです。