基質と酵素の組合せでアンモニアが関係するのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
選択肢2の尿素とウレアーゼの反応では、尿素が加水分解されてアンモニアと二酸化炭素が生成されます。選択肢4のグルタミン酸とグルタミン酸デヒドロゲナーゼの反応は、グルタミン酸からα-ケトグルタル酸への酸化的脱アミノ反応、あるいはその逆反応(還元的アミノ化)を触媒し、アンモニアの生成または消費に直接関与します。これらはアンモニア代謝において重要な酵素反応です。
選択肢ごとの解説
- 1. ウリカーゼは尿酸をアラントイン、二酸化炭素、過酸化水素に分解しますが、アンモニアは直接関係しません。正しくは:ウリカーゼは尿酸からアラントインを生成します。選びやすい理由:尿酸の代謝経路の一部ではありますが、アンモニアが直接関与する反応ではありません。混同注意:プリン代謝と窒素代謝は関連しますが、この酵素反応自体にアンモニアは関与しません。
- 2. 正解。ウレアーゼは尿素を水と反応させてアンモニアと二酸化炭素を生成します。これはアンモニアの主要な生成経路の一つです。
- 3. クレアチンキナーゼはクレアチンとATPの間でリン酸基の転移を触媒し、クレアチンリン酸とADPを生成します。この反応にアンモニアは直接関係しません。正しくは:クレアチンキナーゼはクレアチンとATPからクレアチンリン酸とADPを生成します。選びやすい理由:クレアチンは窒素を含む化合物であり、窒素代謝と関連があるため誤解されやすいかもしれません。混同注意:クレアチン代謝とアンモニア代謝は別物です。
- 4. 正解。グルタミン酸デヒドロゲナーゼは、α-ケトグルタル酸とアンモニアからグルタミン酸を合成する反応、またはグルタミン酸をα-ケトグルタル酸とアンモニアに分解する反応を触媒します。つまり、アンモニアの生成または消費に直接関与します。
- 5. アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ (AST) は、アスパラギン酸とα-ケトグルタル酸からオキサロ酢酸とグルタミン酸を生成する反応(アミノ基転移反応)を触媒します。この反応ではアミノ基が転移するだけで、遊離アンモニアは直接生成または消費されません。正しくは:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼはアスパラギン酸のアミノ基をα-ケトグルタル酸に転移させます。選びやすい理由:アミノトランスフェラーゼがアミノ基を扱うため、アンモニアと混同しやすいですが、アミノ基の転移と遊離アンモニアの生成は異なります。混同注意:アミノ基転移酵素とアンモニア生成酵素(脱アミノ酵素)の機能。
国試ポイント
本問題は、生体内でのアンモニアの生成および消費に関わる主要な酵素反応に関する知識を問うものです。特に、各酵素の基質特異性と生成物、そして代謝経路全体における位置づけを理解しているかが重要です。
混同注意
アミノ基転移酵素(トランスアミナーゼ)がアミノ基を扱うため、遊離アンモニアを生成する酵素(脱アミノ酵素)と混同されやすい。また、窒素を含む化合物の代謝全体と、直接アンモニアが関与する反応を区別する能力が問われます。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、主要な窒素含有化合物の代謝経路、特にアンモニアの産生・消費に直接関わる酵素(例: グルタミン合成酵素、グルタミナーゼ)と、アミノ基転移酵素(AST, ALTなど)の機能の違いに注目して判断する。
関連知識
尿素回路(オルニチン回路)、グルタミン酸代謝、グルタミン合成酵素、肝性脳症とアンモニアの関係、腎臓におけるアンモニアの役割、脱アミノ反応の種類(酸化的脱アミノ、非酸化的脱アミノ)。