超音波画像にみられる音響陰影の説明として誤っているのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
音響陰影(acoustic shadowing)は、超音波が構造物で強く減衰・反射されることにより、その構造物の後方に超音波が到達せず、無エコー域として描出される現象である。嚢胞は内部が液体で満たされており、超音波が減衰・反射されにくく、後方に超音波が透過するため、音響陰影ではなく音響増強(posterior enhancement)がみられる。
選択肢ごとの解説
- 1. 強い減衰がある場合、超音波はその先の組織に到達しにくくなるため、後方に音響陰影がみられやすい。これは音響陰影の定義通りであり、正しい説明である。選びやすい理由:音響陰影の基本的な定義であるため、正しい説明として認識されやすい。混同注意:音響増強
- 2. 強い反射がある場合、超音波は前方の構造物でほとんど反射されてしまい、後方に到達しないため、後方に音響陰影がみられやすい。これは正しい説明である。選びやすい理由:強い反射も超音波の後方への透過を妨げる要因であるため、正しい説明として理解されやすい。混同注意:音響増強
- 3. 結石は超音波を強く減衰・反射するため、その超音波が透過しにくく、後方に音響陰影がみられやすい。これは正しい説明である。選びやすい理由:結石は音響陰影の代表例としてよく知られているため、正しい選択肢として認識されやすい。
- 4. 正解。嚢胞は内部が液体で満たされており、超音波の減衰・反射が少ないため、超音波が透過しやすく、後方に音響陰影ではなく音響増強がみられる。したがって、この選択肢は誤りである。正しくは:嚢胞の後方には音響増強がみられやすい。選びやすい理由:嚢胞は比較的よく見られる病変であり、他の病変との区別があいまいだと誤って選んでしまう可能性がある。混同注意:音響増強
- 5. ガス(空気)は超音波を強く反射・散乱させるため、後方に超音波が透過せず、音響陰影がみられやすい。これは正しい説明である。選びやすい理由:ガス(空気)も結石と同様に超音波画像で音響陰影を示す代表例であるため、正しい選択肢として認識されやすい。
国試ポイント
超音波画像診断におけるアーチファクト(音響陰影、音響増強など)の発生機序と、それぞれどのような病変で認められるかを理解する。
混同注意
音響陰影と音響増強を混同しやすい。音響陰影は超音波の通過が妨げられるために後方が暗くなる現象であり、音響増強は超音波が通過しやすい組織(嚢胞など)の後方で信号が強調される現象である。
次に同じ論点が出たら
音響陰影の問題が出た場合、超音波が対象物の後方で「暗く」見えるかどうか、つまり超音波がその物体を透過しにくいかどうかに着目して判断する。嚢胞のように液体成分を多く含む構造は超音波を透過しやすく、後方はむしろ「明るく」見えるため、音響陰影ではないと判断できる。
関連知識
超音波の減衰は、超音波が媒体中を伝播する際にエネルギーを失う現象である。減衰が強い組織(結石、骨、ガスなど)の後方には音響陰影がみられる。一方、超音波の減衰が少ない液体成分(嚢胞など)では、その液体層を通過した超音波が後方の組織で相対的に強く描出され、音響増強として認められる。