呼吸性アシドーシスはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
呼吸性アシドーシスは、PaCO₂の上昇によって血中のpHが低下する状態です。選択肢4では、pHが7.34と低下しており、PaCO₂が60 Torrと明らかに上昇しているため、呼吸性の原因によるアシドーシスと判断できます。HCO₃⁻の上昇は、このアシドーシスに対する腎臓の代償作用(代謝性代償)を示しています。
選択肢ごとの解説
- 1. pHが上昇し、PaCO₂が低下しているので、これは呼吸性アルカローシスの状態です。HCO₃⁻は正常範囲内であり、代償は認められません。正しくは:呼吸性アルカローシス。選びやすい理由:pHの変化に着目するが、PaCO₂とHCO₃⁻の変動方向と基準値への理解が不十分だと迷う可能性があります。混同注意:代謝性アルカローシスや正常範囲内のデータと混同する可能性があります。
- 2. pHが上昇していますが、PaCO₂はわずかに上昇、HCO₃⁻は明らかに上昇しています。これは代謝性アルカローシス(または慢性呼吸性アシドーシスの過剰代償)を示唆しますが、主な原因はHCO₃⁻の上昇と考えられます。正しくは:代謝性アルカローシス(代償性呼吸性アシドーシス)または慢性呼吸性アシドーシスの過剰代償。選びやすい理由:pHが上昇しているため、アルカローシスであることは理解しやすいですが、PaCO₂とHCO₃⁻のバランスを正確に評価できないと混乱します。混同注意:混合性アシドーシス・アルカローシス、または代償性の判断と混同する可能性があります。
- 3. pH、PaCO₂、HCO₃⁻のいずれも正常範囲内の値です。これは酸塩基平衡が正常な状態を示しています。正しくは:正常な酸塩基平衡。選びやすい理由:基準値を正確に覚えていない場合、わずかな変動を見落とす可能性があります。混同注意:軽度の酸塩基異常や、正常範囲の境界値と混同する可能性があります。
- 4. 正解。pHが低下しており(アシドーシス)、PaCO₂が著しく上昇しています。PaCO₂の上昇は呼吸性アシドーシスの特徴です。HCO₃⁻も上昇しているため、これは腎臓による代償作用が働いていることを示します。正しくは:呼吸性アシドーシス(代償あり)。選びやすい理由:HCO₃⁻が上昇しているため、代謝性アルカローシスと見間違える可能性もありますが、PaCO₂の著しい上昇とpH低下から呼吸性アシドーシスが主病態と判断できます。混同注意:純粋な呼吸性アシドーシス、代謝性アルカローシスと混同する可能性があります。
- 5. pHが低下しており(アシドーシス)、PaCO₂は低下、HCO₃⁻は著しく低下しています。これは代謝性アシドーシスの状態であり、PaCO₂の低下は呼吸による代償作用です。正しくは:代謝性アシドーシス(代償あり)。選びやすい理由:pHが低下しているためアシドーシスであることは正しく認識できますが、原因がPaCO₂とHCO₃⁻のどちらにあるかを見誤る可能性があります。混同注意:呼吸性アシドーシスや混合性アシドーシスと混同する可能性があります。
国試ポイント
血液ガス分析の基本的な解釈能力、特に酸塩基平衡異常(アシドーシス/アルカローシス、呼吸性/代謝性)を、pH、PaCO₂、HCO₃⁻の値から正確に識別できるかどうかが問われる典型的な問題です。代償の有無と種類も合わせて判断できる必要があります。
混同注意
代謝性アシドーシス、混合性アシドーシス・アルカローシス、代償性変化を主病態と見誤ること。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まずpHでアシドーシスかアルカローシスか判断し、次にPaCO₂とHCO₃⁻のどちらがprimaryな原因かを判断する。最後に代償の有無と程度を確認する。
関連知識
酸塩基平衡の基準値(pH: 7.35-7.45, PaCO₂: 35-45 Torr, HCO₃⁻: 22-26 mmol/L)。Henderson-Hasselbalchの式。呼吸性アシドーシス・アルカローシス、代謝性アシドーシス・アルカローシスの病態生理と代償機序。