遺伝性乳癌卵巣癌症候群〈HBOC〉の原因遺伝子はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)は、BRCA1およびBRCA2遺伝子の生殖細胞系列変異によって引き起こされる常染色体優性遺伝形式の遺伝性疾患です。これらの遺伝子はDNA修復に関わるがん抑制遺伝子であり、機能喪失により乳がんや卵巣がん、前立腺がん、膵がんなどの発症リスクが高まります。
選択肢ごとの解説
- 1. APC遺伝子は、家族性大腸腺腫症(FAP)の主要な原因遺伝子であり、HBOCとは関連性がありません。正しくは:家族性大腸腺腫症(FAP)の原因遺伝子である。選びやすい理由:いずれも遺伝性腫瘍症候群の原因遺伝子であるため、他の遺伝性腫瘍症候群の原因遺伝子と混同しやすい。混同注意:リンチ症候群(MLH1など)、HBOC(BRCA1/2)など、他の遺伝性腫瘍症候群の原因遺伝子。
- 2. 正解。BRCA1遺伝子は、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の主要な原因遺伝子として知られており、乳がんや卵巣がんのリスクを顕著に高めます。
- 3. MEN1遺伝子は、多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)の原因遺伝子であり、下垂体、副甲状腺、膵臓などの内分泌器官に腫瘍を引き起こします。HBOCとは関連性がありません。正しくは:多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)の原因遺伝子である。選びやすい理由:いずれも遺伝性腫瘍症候群の原因遺伝子であるため、他の遺伝性腫瘍症候群の原因遺伝子と混同しやすい。混同注意:リンチ症候群(MLH1など)、HBOC(BRCA1/2)など、他の遺伝性腫瘍症候群の原因遺伝子。
- 4. MLH1遺伝子は、リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)の主要な原因遺伝子であり、主に大腸がんや子宮体がんのリスクを高めます。HBOCとは関連性がありません。正しくは:リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)の主要な原因遺伝子の一つである。選びやすい理由:いずれも遺伝性腫瘍症候群の原因遺伝子であるため、他の遺伝性腫瘍症候群の原因遺伝子と混同しやすい。混同注意:HBOC(BRCA1/2)、FAP(APC)など、他の遺伝性腫瘍症候群の原因遺伝子。
- 5. VHL遺伝子は、フォン・ヒッペル・リンドウ病(VHL病)の原因遺伝子であり、腎細胞がんや褐色細胞腫、中枢神経系血管芽腫などを引き起こします。HBOCとは関連性がありません。正しくは:フォン・ヒッペル・リンドウ病(VHL病)の原因遺伝子である。選びやすい理由:いずれも遺伝性腫瘍症候群の原因遺伝子であるため、他の遺伝性腫瘍症候群の原因遺伝子と混同しやすい。混同注意:リンチ症候群(MLH1など)、HBOC(BRCA1/2)など、他の遺伝性腫瘍症候群の原因遺伝子。
国試ポイント
遺伝性腫瘍症候群の各疾患と、その原因遺伝子の組み合わせを正確に覚えているかが問われる。特に、HBOCは頻出のトピックであり、原因遺伝子であるBRCA1/BRCA2の知識は必須。その他の遺伝性腫瘍症候群(FAP、リンチ症候群、MEN1、VHL病など)の代表的な原因遺伝子も関連知識として問われることがある。
混同注意
他の遺伝性腫瘍症候群(家族性大腸腺腫症、リンチ症候群、多発性内分泌腫瘍症、フォン・ヒッペル・リンドウ病など)の原因遺伝子と混同しやすい。特に遺伝子名の略語が多いため、それぞれの略語がどの疾患と関連するかを整理して覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題された場合、HBOCの病態生理(DNA修復不全)や、関連するがん種(乳がん、卵巣がん以外にも前立腺がん、膵がんなど)、遺伝カウンセリングや予防的切除などの管理に関する知識が問われる可能性があります。また、BRCA遺伝子変異の検査適応や、PARP阻害薬などの治療薬に関する知識も重要になります。
関連知識
HBOCの原因遺伝子: BRCA1, BRCA2(がん抑制遺伝子、DNA修復に関与)FAP(家族性大腸腺腫症)の原因遺伝子: APC(がん抑制遺伝子、Wntシグナル伝達に関与)リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)の原因遺伝子: MLH1, MSH2, MSH6, PMS2(DNAミスマッチ修復遺伝子)MEN1(多発性内分泌腫瘍症1型)の原因遺伝子: MEN1(がん抑制遺伝子、Meninタンパク質をコード)VHL病(フォン・ヒッペル・リンドウ病)の原因遺伝子: VHL(がん抑制遺伝子、低酸素誘導因子(HIF)の分解に関与)その他の遺伝性腫瘍症候群とその原因遺伝子(例:Li-Fraumeni症候群のTP53、網膜芽細胞腫のRB1など)