臨床検査技師が行うことができないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
前庭性眼振検査における冷水耳内注入は、耳の内部構造に直接作用し、身体への侵襲を伴う医行為です。臨床検査技師法において、臨床検査技師は診療の補助行為として採血や生理機能検査の一部を行うことが認められていますが、耳内への異物(水)の注入はこれに含まれません。これは医師のみが行うべき行為とされています。
選択肢ごとの解説
- 1. MRI検査は、医師の指示のもとで臨床検査技師が実施可能な業務です。正しくは:MRI検査の操作は、医師の指示があれば臨床検査技師が単独で実施可能です。選びやすい理由:高度な画像診断検査のため、医療行為と誤解されやすいですが、機器の操作は臨床検査技師の専門分野です。混同注意:画像診断の解釈と混同されやすいですが、検査の実施と解釈は異なります。
- 2. 心臓超音波検査は、医師の指示のもとで臨床検査技師が実施可能な業務です。正しくは:経胸壁心臓超音波検査は、医師の指示があれば臨床検査技師が単独で実施可能です。選びやすい理由:患者の体に直接触れる検査のため、医療行為と誤解されやすいですが、非侵襲的な超音波検査は臨床検査技師の業務範囲です。混同注意:侵襲的処置と混同されやすいですが、超音波プローブを体表に当てることは侵襲的ではありません。
- 3. 誘発電位検査で使用する針電極の装着は、医師の指示のもとで臨床検査技師が実施可能な業務です。正しくは:運動誘発電位検査における針電極の装着は、医師の指示があれば臨床検査技師が単独で実施可能です。選びやすい理由:針を用いるため侵襲的であると判断されがちですが、運動誘発電位検査における針電極は皮膚に浅く刺入するものであり、診療の補助行為として臨床検査技師に認められています。混同注意:筋電図検査などで用いられるより深部に刺入する注射針と混同されやすいですが、誘発電位の針電極は異なります。
- 4. 正解。耳内への冷水注入は、医行為である耳浴や耳洗に準ずる行為であり、身体への侵襲を伴うため、臨床検査技師が単独で行うことはできません。医師のみが実施可能です。正しくは:前庭性眼振検査のための冷水耳内注入は、医師のみが実施できます。選びやすい理由:検査の一環であり、単なる「水を入れる」行為と捉えられがちですが、耳の内部構造に直接影響を与える行為であるため、専門的な判断と技術が必要とされる医行為です。混同注意:他の非侵襲的な生理機能検査や、体表への電極装着などと混同されやすいですが、冷水注入は身体内部への刺激を伴います。
- 5. 直腸肛門機能検査でバルーンに空気を注入する行為は、医師の指示のもとで臨床検査技師が実施可能な業務です。正しくは:直腸肛門機能検査でのバルーンへの空気注入は、医師の指示があれば臨床検査技師が単独で実施可能です。選びやすい理由:直腸というデリケートな部位に関わるため医療行為と誤解されやすいですが、バルーン挿入は医師が行い、その後の空気注入は診療の補助行為として認められています。混同注意:カテーテルの挿入(医師の行為)と混同されやすいですが、挿入後のバルーン操作は臨床検査技師の業務範囲です。
国試ポイント
臨床検査技師の業務範囲と医行為の区別を問う問題です。特に、一見すると軽微に見える行為でも、身体への侵襲性や専門的な判断が求められる場合は医行為とみなされることがある点を理解しているかが重要です。
混同注意
表面的な侵襲(針を刺す、体内に器具を入れる)の有無だけでなく、行為の性質(薬剤の注入、身体機能への直接的な介入)によっても医行為の判断が分かれる点を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、各選択肢が『身体への直接的な侵襲を伴うか』、『薬剤や異物の体内への注入か』、『専門的な診断や処置の判断が必要か』という基準で判断します。
関連知識
臨床検査技師等に関する法律、医療法、医師法における医行為の定義、診療の補助行為の範囲。特に採血や生理機能検査における技師の業務範囲を具体的に理解しておく必要があります。