中和操作を要する脱灰法・脱灰液はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
電気脱灰法とプランクリクロ法は、いずれも強酸性溶液(電気脱灰法では希塩酸、ギ酸、クエン酸などが用いられるが、電気によって加速され組織への影響が強まるため中和が必要。プランクリクロ法では硝酸)を使用し、組織が強い酸性環境にさらされるため、脱灰後に中和操作が不可欠です。中和によって脱灰液の作用を停止させ、組織の劣化を防ぎます。ギ酸、EDTA法、トリクロロ酢酸は、それぞれ弱酸性、中性、あるいは組織への影響が比較的少ないため、通常は水洗のみで中和は不要とされています。
選択肢ごとの解説
- 1. ギ酸は脱灰後に中和が不要な酸性脱灰液です。正しくは:ギ酸は脱灰後に中和が不要な脱灰液です。選びやすい理由:酸性の脱灰液であるため、中和が必要だと誤解しやすいです。しかし、ギ酸は比較的弱酸であり、脱灰後の標本に与える影響が少ないため、通常は水洗のみで中和は不要とされています。混同注意:他の強酸性の脱灰液と混同しやすいです。
- 2. EDTA法はキレート作用を利用した脱灰法であり、脱灰液が中性付近で作用するため、脱灰後に中和は必要ありません。正しくは:EDTA法は脱灰後に中和が不要な脱灰法です。選びやすい理由:脱灰後に何らかの処理が必要だと考えるかもしれませんが、EDTAは中性付近で作用し、組織への影響が少ないため中和は不要です。混同注意:酸性脱灰法や他の脱灰法と混同しやすいです。
- 3. 正解。電気脱灰法は酸性の脱灰液(例: 希塩酸、ギ酸、クエン酸など)を使用し、電気を流して脱灰を促進する方法です。この方法では、組織が強い酸性環境にさらされるため、脱灰後に組織を保護するために中和操作が必要です。
- 4. トリクロロ酢酸は脱灰後に中和が不要な酸性脱灰液です。ギ酸と同様に、比較的弱酸であり、通常は水洗のみで中和は不要とされています。正しくは:トリクロロ酢酸は脱灰後に中和が不要な脱灰液です。選びやすい理由:酸性の脱灰液であるため、中和が必要だと誤解しやすいです。ギ酸と同様に、比較的弱酸であり、水洗のみで十分とされています。混同注意:他の強酸性の脱灰液と混同しやすいです。
- 5. 正解。プランクリクロ法は、硝酸を主成分とする非常に強力な脱灰液を使用します。硝酸は非常に強い酸であるため、脱灰後の組織は高度な酸性状態となり、組織損傷を防ぐために必ず中和操作が必要です。
国試ポイント
脱灰法とその後の処理(特に中和の要否)に関する知識が問われています。強酸性の脱灰液を使用する、あるいは電気などの物理的要因で脱灰を加速させる方法では、組織保護のための中和が必須となる点を理解しているかが重要です。
混同注意
弱酸性脱灰液(ギ酸、トリクロロ酢酸など)と強酸性脱灰液(硝酸を用いるプランクリクロ法や、電気脱灰法で強酸性環境になる場合)の区別、およびEDTA法のような中性脱灰法との違いを混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、各脱灰法で用いられる主成分とその酸性度、および脱灰速度や組織への影響の度合いから、中和の要否を判断できるかを確認します。
関連知識
脱灰液の種類(酸性、キレート剤)、脱灰作用機序、脱灰後の洗浄・中和の目的、組織への影響、各脱灰法の利点と欠点。