H-E染色標本(別冊No. 8)を別に示す。臓器はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
下に示すH-E染色標本は、内腔が星形(不規則な鋸歯状)を呈し、粘膜は厚い移行上皮で覆われています。粘膜固有層の直下には粘膜下組織や粘膜筋板が不明瞭で、厚い平滑筋層が内縦外輪(下部ではさらに外縦)の配列を示します。これらの組織学的特徴は尿管に特有のものです。
選択肢ごとの解説
- 1. 気管では、線毛上皮、硝子軟骨、粘液腺などが特徴的です。本画像で示されるような移行上皮や厚い筋層とは異なります。正しくは:この選択肢は正しくありません。気管の組織学的特徴を確認してください。選びやすい理由:管腔構造を持つ点で共通性があるため、誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:他の管腔臓器(消化管、血管など)と混同することがあります。
- 2. 食道の粘膜は重層扁平上皮で覆われ、粘膜筋板が発達し、筋層は内輪外縦の二層構造で、一部に横紋筋が含まれることがあります。腺組織は粘膜下層に存在する場合もありますが、本画像に見られるような移行上皮や厚い筋層構造とは異なります。正しくは:この選択肢は正しくありません。食道の組織学的特徴を確認してください。選びやすい理由:管腔臓器であり、厚い筋層を持つ点で共通性があるため、迷う可能性があります。混同注意:他の消化管(胃、小腸、大腸など)や他の管状臓器と混同しやすいです。
- 3. 大腸の粘膜は杯細胞に富む単層円柱上皮で、陰窩が多数見られます。筋層は内輪外縦ですが、外縦筋は多くが結腸紐を形成します。本画像に見られる移行上皮とは一致しません。正しくは:この選択肢は正しくありません。大腸の組織学的特徴を確認してください。選びやすい理由:消化管の一部であり、管腔構造を持つため、誤って選ぶ可能性があります。混同注意:他の消化管(小腸、胃など)と混同しやすいです。
- 4. 正解。尿管は、内腔が星形(不規則な鋸歯状)をしており、厚い移行上皮が粘膜を覆っています。また、粘膜固有層の下には明確な粘膜筋板がなく、厚い平滑筋層が内縦外輪(下部では外縦筋も加わる三層構造)の配置を示します。粘膜下組織が明確でなく、線維性結合組織が筋層と接している点も特徴的です。画像はこれらの尿管の特徴を明確に示しています。選びやすい理由:移行上皮を持つ他の尿路系臓器(膀胱、腎盂)と迷う可能性がありますが、管腔の形状や筋層の厚さ、腺の有無などで区別できます。混同注意:膀胱、腎盂、尿道など、他の移行上皮を持つ臓器と混同しやすいです。
- 5. 甲状腺は濾胞上皮細胞がコロイドで満たされた濾胞を形成する内分泌器官です。管腔構造や厚い筋層は持ちません。本画像とは全く異なる組織構造です。正しくは:この選択肢は正しくありません。甲状腺の組織学的特徴を確認してください。選びやすい理由:全く異なる組織構造であるため、誤って選ぶ可能性は低いですが、組織全体像の認識が不確かな場合に迷うかもしれません。混同注意:他の内分泌腺(副甲状腺、副腎など)と混同する可能性がありますが、この画像とは根本的に異なります。
国試ポイント
尿路系の臓器、特に尿管のH-E染色組織像の主要な特徴(移行上皮、星形の内腔、筋層の構成)を正確に識別できるかどうかが問われる問題です。他の管腔臓器との鑑別点も理解している必要があります。
混同注意
膀胱(移行上皮だが、内腔は星形ではない)、腎盂(移行上皮だが、筋層が尿管ほど厚くない)、尿道(移行上皮と重層円柱上皮が混在する)などの尿路系臓器の他、気管、食道、大腸といった他の管腔臓器の組織像。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず上皮の種類(移行上皮であるか)を確認し、次に管腔の形状、そして筋層の厚みや配列、さらに周囲に腺組織があるかなどを総合的に判断して臓器を特定する。
関連知識
移行上皮の形態的特徴(傘細胞など)、尿路系の各臓器における上皮の種類と筋層の配列、結合組織の発達の違い。