ミトコンドリア分画にアイソザイムが存在するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)には、細胞質型(c-AST)とミトコンドリア型(m-AST)の2つのアイソザイムが存在します。このうちミトコンドリア型ASTが、ミトコンドリアに局在するアイソザイムとして知られています。肝障害などで細胞が壊死すると、ミトコンドリア型ASTも逸脱するため、重症度の指標となります。
選択肢ごとの解説
- 1. LDの主要なアイソザイムは細胞質とわずかにミトコンドリア関連のLDH-Xが存在するが、一般的にミトコンドリアの主要酵素として認識されていない。LDH-MやLDH-Hなどのアイソザイムは細胞質に存在する。正しくは:LDの主要アイソザイムは細胞質に存在します。選びやすい理由:LDは多くの組織に分布し、細胞質の代表的な酵素であるため、関連性を疑いやすい。混同注意:他の細胞質酵素や、ミトコンドリアに存在するが主要なアイソザイムとして問われにくい酵素。
- 2. 正解。ASTには細胞質型(c-AST)とミトコンドリア型(m-AST)の2種類のアイソザイムが存在し、両者はアミノ酸配列が異なり、それぞれ異なる細胞内分画に存在します。特にm-ASTは心筋、肝臓、骨格筋などに多く含まれ、細胞損傷時には血中に逸脱します。
- 3. アミラーゼの主要なアイソザイム(唾液型と膵臓型)は、細胞質から分泌される酵素であり、ミトコンドリアに存在することはありません。正しくは:アミラーゼの主要アイソザイムは、細胞質から分泌される酵素で、ミトコンドリアには存在しません。選びやすい理由:アミラーゼも体内で広く機能する酵素であるため、細胞内分画を混同しやすい。混同注意:細胞質酵素や分泌酵素。
- 4. コリンエステラーゼ(アセチルコリンエステラーゼやブチリルコリンエステラーゼ)は、主に神経筋接合部、赤血球膜、血漿などに存在し、ミトコンドリアに局在する酵素ではありません。正しくは:コリンエステラーゼは主に血漿や神経組織に存在し、ミトコンドリアには局在しません。選びやすい理由:酵素の多機能性や幅広い分布から、ミトコンドリアとの関連を誤って推測しやすい。混同注意:膜結合型酵素や血漿酵素。
- 5. アルカリホスファターゼ(ALP)は主に細胞膜に結合して存在するか、分泌されて血中に存在する酵素であり、ミトコンドリアに存在するアイソザイムは知られていません。正しくは:ALPは主に細胞膜や細胞質に存在し、ミトコンドリアには局在しません。選びやすい理由:ALPも肝臓や骨などで多種類のアイソザイムが存在するため、細胞内分画との関連を混同しやすい。混同注意:膜結合型酵素や細胞質酵素。
国試ポイント
本問題は、臨床検査技師国家試験において、主要な臨床検査項目である酵素の細胞内局在とアイソザイムに関する基礎知識を問うものです。特に、細胞損傷マーカーとして重要な酵素が、細胞質の他にミトコンドリアにも存在することを知っているかがポイントとなります。各酵素の主要な局在、アイソザイムの種類、および臨床的意義を理解していることが求められます。
混同注意
細胞質に存在する酵素(LD、ALTなど)と、ミトコンドリアに存在する酵素、および細胞膜や血漿に存在する酵素との混同。また、単にアイソザイムが存在するだけでなく、そのアイソザイムがミトコンドリア分画に局在するかどうかが重要。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合は、各酵素の主要な細胞内局在(細胞質、ミトコンドリア、細胞膜、リソソームなど)と、ミトコンドリアにアイソザイムを持つかどうかに着目して判断します。特に、臨床でよく測定される酵素(AST, CKなど)のミトコンドリア型アイソザイムについては確実に理解しておく必要があります。
関連知識
ASTとALTのAST/ALT比は、肝臓疾患の鑑別診断に用いられる重要な指標です。特に、AST/ALT比が1を超える場合は、アルコール性肝炎や劇症肝炎、肝硬変など、ミトコンドリアの損傷が示唆される病態でよく見られます。これは、ASTがミトコンドリアにも存在し、細胞質とミトコンドリアの両方の損傷を反映するためです。また、CK(クレアチンキナーゼ)にもミトコンドリア型(CK-m)が存在し、心筋梗塞などで逸脱します。