心周期現象の圧曲線模式図(別冊No. 2)を別に示す。肺動脈圧曲線はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
心周期の圧曲線模式図において、左心室圧は収縮期に最大となり、大動脈圧を上回る。その後、大動脈弁が開き血液が大動脈へ駆出されると、大動脈圧とほぼ同じ圧力となる。駆出後、大動脈弁が閉じると大動脈圧は一時的に上昇し、その後緩やかに下降する。選択肢4はこれらの圧変動を正確に示しているため正しい。
選択肢ごとの解説
- 1. 選択肢1の曲線は、心房圧の変化と弁の開閉のタイミングが一致しないため誤り。特に、心室収縮期に心房圧が急上昇する現象は示されていない。正しくは:心房圧は心室収縮期に逆流により一時的に上昇するc波、心室拡張早期に急速流入により下降するv波を伴う。選びやすい理由:心房圧は大動脈圧や心室圧に比べて低いため、低い圧の曲線として誤って選択される可能性がある。混同注意:心房圧と心室圧、大動脈圧の相対的な高さの概念。
- 2. 選択肢2の曲線は、右心室圧や肺動脈圧に類似しているが、大動脈圧の波形とは異なる。特に、左心室圧と大動脈圧の典型的な関係を示していない。正しくは:この曲線は右心室圧や肺動脈圧に類似するが、大動脈弁閉鎖後の切痕がないなど大動脈圧とは異なる。選びやすい理由:心室圧と大動脈圧のピークが似ているため、混乱しやすい。混同注意:右心室圧や肺動脈圧。
- 3. 選択肢3の曲線は、心室圧の収縮期を示しているが、大動脈圧との関係や弁の開閉時期が正確ではない。特に、大動脈弁開口前の等容性収縮期の圧上昇が不自然である。正しくは:左心室圧は等容性収縮期に急速に上昇し、大動脈圧を上回ると大動脈弁が開く。選びやすい理由:心室の収縮期圧が高いことは正しいが、詳細な波形や弁の開閉のタイミングで誤りを見落としやすい。混同注意:左心室圧の急速な上昇期。
- 4. 正解。選択肢4は左心室圧と大動脈圧の典型的な圧曲線を示している。左心室の等容性収縮期に圧が急上昇し、大動脈圧を上回ると大動脈弁が開き、駆出期となる。駆出期が終わると大動脈弁が閉鎖し、大動脈圧には切痕(dicrotic notch)が見られる。これは心周期における左心系圧変動の正しい記述である。選びやすい理由:正確な心周期の圧変動を理解していれば、迷わず選択できる。
- 5. 選択肢5の曲線は、心室拡張期に圧が大きく上昇しており、これは心室の圧曲線としては誤りである。特に心房圧や大動脈圧の変化とは一致しない。正しくは:心室拡張期は心室が血液を充満する時期であり、圧は低い。選びやすい理由:波形全体を把握せずに、一部の変動のみに注目すると誤って選択される可能性がある。混同注意:心室の拡張期圧と収縮期圧の基本的な違い。
国試ポイント
心周期における各部位(心房、心室、大動脈、肺動脈)の圧変動と弁の開閉時期の関係を理解すること。
混同注意
心房圧、心室圧、大動脈圧、肺動脈圧の区別が曖昧になりやすい。特に心室圧と大動脈圧の変動は類似しているが、弁の開閉に伴うタイミングのずれを理解することが重要である。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合は、まず左心室圧が大動脈圧を上回るタイミング(駆出開始)と、大動脈弁閉鎖による大動脈圧の切痕(dicrotic notch)の位置を確認する。
関連知識
心音(I音、II音)の発生機序と、心電図のP波、QRS波、T波が心周期のどのイベントに対応するかを関連付けて理解する。