健康成人の大気からミトコンドリアまでの酸素カスケード(別冊No. 4)を別に示す。肺胞気-動脈血酸素分圧較差はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
酸素カスケードにおいて、肺胞気-動脈血酸素分圧較差(A-a DO2)は、肺胞内の酸素分圧と動脈血中の酸素分圧の差を表します。この較差は、肺でのガス交換機能の評価に用いられ、健常者では通常10〜15 mmHg程度です。下図の②がこの差に該当します。
選択肢ごとの解説
- 1. ①は、大気中の酸素分圧と肺胞気酸素分圧の差を表しており、これは空気の吸入経路における酸素分圧の低下を示します。正しくは:肺胞気-動脈血酸素分圧較差は、肺胞と動脈血間の酸素分圧差であり、肺におけるガス交換効率を反映します。選びやすい理由:酸素カスケードの初期の段階であるため、間違いやすいかもしれません。混同注意:大気から肺胞までの分圧差と混同しやすいです。
- 2. 正解。②は、肺胞気酸素分圧と動脈血酸素分圧の間の差を示しており、これが肺胞気-動脈血酸素分圧較差(A-a DO2)に該当します。この較差は、肺でのガス交換効率、特に酸素の拡散能や換気血流比の不均等を評価する重要な指標です。
- 3. ③は、動脈血酸素分圧と組織の毛細血管酸素分圧の差、または全身毛細血管における組織への酸素供給に伴う酸素分圧の低下を示します。正しくは:肺胞気-動脈血酸素分圧較差は、肺胞と動脈血間の酸素分圧差であり、肺におけるガス交換効率を反映します。選びやすい理由:組織への酸素供給に関連する段階であるため、酸素分圧差として選択肢に考えてしまうかもしれません。混同注意:組織レベルでの酸素分圧差と混同しやすいです。
- 4. ④は、組織の毛細血管酸素分圧と細胞内(ミトコンドリア手前)の酸素分圧の差を示しており、組織レベルでの酸素の取り込みに伴う分圧低下を示します。正しくは:肺胞気-動脈血酸素分圧較差は、肺胞と動脈血間の酸素分圧差であり、肺におけるガス交換効率を反映します。選びやすい理由:細胞レベルの酸素供給に関連する段階であるため、選択肢として考えてしまうかもしれません。混同注意:細胞内での酸素分圧差と混同しやすいです。
- 5. ⑤は、細胞内酸素分圧とミトコンドリア内酸素分圧の差を示しており、これは細胞内での酸素利用に伴う最終的な分圧低下です。正しくは:肺胞気-動脈血酸素分圧較差は、肺胞と動脈血間の酸素分圧差であり、肺におけるガス交換効率を反映します。選びやすい理由:酸素カスケードの最終段階であるため、最も深い酸素分圧差として選んでしまうかもしれません。混同注意:ミトコンドリアレベルでの酸素分圧差と混同しやすいです。
国試ポイント
酸素カスケードの各段階における酸素分圧の変化を理解し、特に肺胞気-動脈血酸素分圧較差(A-a DO2)がどの部分を示すかを正確に識別できるかが問われています。これは、呼吸生理学における基本的な知識です。
混同注意
大気から肺胞までの酸素分圧の低下や、動脈血から組織への酸素分圧の低下など、他の酸素分圧較差と混同しやすいです。それぞれの場所で何が起きているか理解が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、A-a DO2の正常値とその意義、およびそれが上昇する病態(例:肺線維症、ARDS、シャント)について問われる可能性があります。
関連知識
酸素カスケードの各段階におけるPaO2の正常値、A-a DO2の意義と臨床的利用(例:肺疾患の診断補助)、換気血流比不均等、拡散障害。