クロージングボリューム〈CV〉測定における単一呼出曲線で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
単一呼出窒素曲線において、第IV相は下部肺野の気道が閉塞し始め、残された上部肺野(より換気血流比が良好でN2濃度が高い)からのガスが優位に排出されることで、窒素濃度が急速に増加する区間です。このため、その濃度変化の傾きは、比較的安定した肺胞平坦相である第III相と比べて著しく急峻になります。
選択肢ごとの解説
- 1. 単一呼出窒素曲線において、第I相は気道死腔からのガスであり、100%酸素を吸入した後は窒素濃度はほぼゼロに近くなります。約80%というのは大気中の窒素濃度であり、この測定における初期呼気ガスとは異なります。正しくは:第I相における窒素(N2)濃度はほぼゼロに近い。選びやすい理由:大気中の窒素濃度が約80%であるという一般的な知識と混同しやすい。混同注意:大気中のN2濃度と、100%酸素吸入後の呼気N2濃度を混同しています。
- 2. 第II相は、気道死腔内のガスと、肺胞からのガスが混ざり合って出てくる移行期です。純粋な肺胞ガスのみではありません。正しくは:第II相は、気道死腔ガスと肺胞ガスが混ざり合って排出される移行期である。選びやすい理由:肺胞ガスが呼出され始める段階であるため、肺胞ガスが主体だと誤解しやすいです。混同注意:第III相(プラトー相)と第II相のガス構成を混同しています。
- 3. 第III相に見られる微細な揺らぎ(振動)は、心拍動によって肺内の血流やガス分布が一時的に変化することで生じる「心拍動による変動」です。測定管の共振とは関係ありません。正しくは:第III相に見られる微細な揺らぎは、心拍動による肺内ガス分布の変動によって生じる。選びやすい理由:測定装置に関連する問題であると捉えがちです。混同注意:生体現象(心拍動)と測定機器の物理現象(共振)を混同しています。
- 4. 正解。第III相は肺胞平坦相であり、ガス濃度は比較的安定しているため傾きは緩やかです。一方、第IV相は下部肺野の気道が閉塞し始め、上部肺野からN2濃度の高いガスが排出されるため、N2濃度が急激に上昇し、傾斜は第III相よりも明らかに大きくなります。
- 5. 第IV相は、クロージングボリューム(CV)が始まった時点から最大呼気位(残気量まで)までの間に呼出されるガスに相当します。安静呼気位(機能的残気量FRC)は個人差や病態によってCV位との相対関係が変わるため、CV位から安静呼気位まで、という定義は不適切です。正しくは:第IV相は、クロージングボリューム(CV)の開始点から最大呼気位までの呼気量に相当する。選びやすい理由:肺気量分画とCVの関係を曖昧に理解していると、間違って選択しやすいです。混同注意:肺気量分画(特にFRC, RV)とクロージングボリュームの関係、およびCVが始まるポイントを混同しています。
国試ポイント
単一呼出曲線(single breath N2 washout curve)の各相(I, II, III, IV相)の生理学的意義、特徴、そしてクロージングボリューム(CV)との関連性が頻出です。特に各相でどのようなガスが排出されるのか、濃度変化の理由、CVの定義とその生理的意義が問われます。
混同注意
各相で排出されるガスの種類と濃度変化の理由、第III相で認められる振動の要因、CVとCRV(closing capacity)の定義、肺気量分画(特にFRC, RV)との相対関係を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
CV測定の臨床的意義(例:小気道疾患の早期発見)、CVの加齢・疾患による変化、CVとCRVの定義と正常値、他の小気道機能検査(例:最大呼気流量曲線)の特徴について問われる可能性があります。
関連知識
肺気量分画(VC, TLC, FRC, RVなど)、換気血流比不均等、小気道機能評価、高齢化や喫煙による肺機能の変化。