貯血式自己血輸血の実施に必要とされる条件はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
貯血式自己血輸血は、患者自身の血液を事前に採血し、手術時に輸血する方法です。この方法は、輸血による副作用や感染症のリスクを低減しますが、採血自体が患者に負担をかけるため、いくつかの条件を満たす必要があります。選択肢3の「全身状態が良好な患者」であることは、採血に耐えられ、安全に実施するための大前提です。選択肢4の「緊急を要しない待機手術」であることは、事前に計画的に採血・保存する時間的余裕が必要であるため、不可欠な条件となります。その他の選択肢は、年齢や体重、ヘモグロビン濃度といった基準がありますが、これらは絶対的な数値ではなく、個々の患者の状態や医療機関の方針によって柔軟に判断される場合があるか、あるいは基準値が異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 年齢制限は通常成人(18歳以上)を基準とすることが多いですが、小児でも体重や全身状態によっては実施可能です。絶対的な年齢下限はありません。正しくは:年齢は絶対的な条件ではなく、全身状態や体重を総合的に判断します。選びやすい理由:一般的な献血の年齢制限と混同しやすい。混同注意:献血の年齢制限(16歳以上)
- 2. 自己血輸血の対象となる体重は、採血量や患者の耐容性によって個別に判断されます。30kgは一般的な下限値の一つですが、より低体重でも医師の判断で実施されることがあります。また、採血量が少なければ、より低体重でも可能です。絶対的な基準ではありません。正しくは:体重は重要ですが、絶対的な閾値ではなく、採血量や患者の状態に応じて判断されます。選びやすい理由:小児の自己血輸血において、体重は重要な考慮事項であるため。混同注意:具体的な採血可能量と体重の関係
- 3. 正解。貯血式自己血輸血では、採血に伴う体への負担があるため、事前に患者の全身状態が安定していることが必須条件です。循環器系や呼吸器系に重篤な疾患がないことが求められます。
- 4. 正解。貯血式自己血輸血は、手術前に複数回採血を行い、血液を保存するプロセスが必要です。そのため、計画性があり、緊急性のない待機手術が原則となります。緊急手術の場合は、貯血が間に合わないため適用できません。
- 5. 貯血式自己血輸血の採血基準では、通常、ヘモグロビン濃度が11.0g/dL以上とされています。10.0g/dLでは貧血の程度によっては採血が困難な場合や、採血後の貧血増悪リスクが高まります。正しくは:採血時のヘモグロビン濃度は、一般的に11.0g/dL以上が推奨されます。選びやすい理由:ヘモグロビン濃度は重要な指標であり、数値自体は近く感じるため。混同注意:輸血開始の基準や、他の種類の輸血におけるヘモグロビン基準
国試ポイント
貯血式自己血輸血の適応条件、特に患者の安全性と計画性を問う問題です。具体的な数値基準だけでなく、その方法の原理に基づいた基本的な条件を理解しているかが試されます。
混同注意
自己血輸血の種類(貯血式、希釈式、回収式)ごとの適応や、一般的な他家血輸血の基準。
次に同じ論点が出たら
貯血式自己血輸血の実施条件を問われたら、まず「患者の安全性」と「計画性の有無」の2点を優先的に確認する。
関連知識
自己血輸血のメリット・デメリット、他の自己血輸血法(術中希釈式、術中回収式)の適応、献血基準との違い。