免疫学的機序による輸血副作用はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
輸血後GVHDは、輸血されたリンパ球がレシピエントの免疫系を攻撃することで発症する免疫学的機序による副作用である。TRALIは、輸血製剤中の抗体がレシピエントの好中球を活性化し肺障害を引き起こす免疫学的機序による副作用である。一方、鉄過剰症、高カリウム血症、TACOはそれぞれ鉄の蓄積、電解質異常、循環血液量増加によるもので、免疫学的機序は関与しない。
選択肢ごとの解説
- 1. 鉄過剰症は、頻繁な輸血によって赤血球に含まれる鉄が体内に蓄積することで起こる非免疫学的副作用です。免疫反応は関与しません。正しくは:鉄過剰症は非免疫学的機序による輸血副作用である。選びやすい理由:輸血回数が多い患者で発生するため、輸血と関連する合併症として連想しやすい。混同注意:免疫学的機序と非免疫学的機序の区別が曖昧だと選びやすい。
- 2. 正解。輸血後GVHDは、輸血されたリンパ球がレシピエントの組織を攻撃することで生じる免疫学的副作用です。ドナー由来のリンパ球がレシピエントを異物と認識し攻撃することで発症します。
- 3. 高カリウム血症は、保存された血液製剤中の赤血球からカリウムが漏出することによって生じる非免疫学的副作用です。大量輸血時や腎機能低下患者で問題となりますが、免疫反応は関与しません。正しくは:高カリウム血症は非免疫学的機序による輸血副作用である。選びやすい理由:輸血に関連する電解質異常として知られているため、関連性から選択しやすい。混同注意:免疫学的機序と非免疫学的機序の区別が曖昧だと選びやすい。
- 4. 輸血関連循環過負荷(TACO)は、輸血製剤の過剰な投与量や急速な輸血速度により、循環血液量が増加して心臓に負担がかかることで起こる非免疫学的副作用です。免疫反応は関与しません。正しくは:輸血関連循環過負荷(TACO)は非免疫学的機序による輸血副作用である。選びやすい理由:頻度の高い輸血合併症であり、名称に「輸血関連」とあるため選択肢として魅力的に見える。混同注意:TRALI(輸血関連急性肺障害)と名称が似ており、両者の機序を混同しやすい。
- 5. 正解。輸血関連急性肺障害(TRALI)は、輸血製剤中の抗体(特に抗HLA抗体や抗好中球抗体)がレシピエントの好中球を活性化し、肺毛細血管を損傷することで生じる重篤な免疫学的副作用です。
国試ポイント
輸血副作用における免疫学的機序と非免疫学的機序の区別が問われている。特にGVHDとTRALIは代表的な免疫学的副作用として認識しておく必要がある。
混同注意
TACOとTRALIは名称が似ており、ともに肺症状を引き起こす可能性があるため混同しやすいが、その機序(TACOは循環過負荷、TRALIは免疫反応)は全く異なる点を理解しておく必要がある。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、選択肢に挙げられた輸血副作用が「免疫学的機序」によるものか「非免疫学的機序」によるものかを正確に判断できるかを確認する。特に、症状が重篤なもの(GVHD, TRALI, 急性溶血)は免疫学的機序である可能性が高いことを意識する。
関連知識
免疫学的副作用には、他に溶血性輸血反応(急性・遅発性)、非溶血性発熱性輸血反応、アレルギー反応などがある。非免疫学的副作用には、上記以外にもクエン酸中毒、低体温、細菌汚染などがある。