37℃の加温が必要な検査はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
間接抗グロブリン試験は、患者血清中に存在する不規則抗体、特にIgGクラスの抗体を検出することを目的としています。IgG抗体は体温である37℃で最も抗原への結合能が高まるため、被検血清と試験用赤血球を混合した後、37℃で一定時間加温し、抗体抗原反応を促進させる工程が必須です。この加温ステップを経て、赤血球に結合したIgG抗体を抗グロブリン血清を用いて検出します。
選択肢ごとの解説
- 1. ABO血液型検査(スライド法)は、主に室温(18〜24℃)またはそれ以下の温度で実施されます。これは、ABO式血液型抗体がIgM抗体であり、低温でよく反応するためです。正しくは:ABO血液型検査(スライド法)は、室温またはそれ以下の温度で行われます。選びやすい理由:血液型検査全般が冷温反応と思われがちですが、IgG抗体反応を含む場合は加温が必要なステップもあります。しかし、基本的なスライド法は異なります。混同注意:間接抗グロブリン試験やIgG抗体検出のための加温ステップと混同する可能性があります。
- 2. Rh血液型検査(カラム法)は、抗D抗体を含む試薬と反応させますが、これも通常は室温(カラムのメーカー指示によるが、加温を必須としないことが多い)で行われます。IgG抗体による反応ですが、試薬が反応を増強するように調整されているため、37℃加温は必須ではありません。正しくは:Rh血液型検査(カラム法)は、通常室温で行われます。選びやすい理由:Rh抗体がIgG抗体であることを知っていると、加温が必要だと誤解しやすいです。しかし、検査法によっては加温が不要なように設計されています。混同注意:一般的なIgG抗体検出のための反応(例:間接抗グロブリン試験)の加温ステップと混同する可能性があります。
- 3. 交差適合試験の生理食塩液法は、主にIgM抗体による不適合を検出するために、室温で実施されます。IgM抗体は低温で反応性が高いため、37℃加温は適しません。正しくは:交差適合試験(生理食塩液法)は、室温で行われます。選びやすい理由:交差適合試験は輸血の最終確認であり、より厳格な条件が求められるため、加温が必要だと思いやすいかもしれません。しかし、IgM抗体検出には低温が適しています。混同注意:交差適合試験の抗グロブリン法(間接抗グロブリン試験の原理に基づく)と混同する可能性があります。抗グロブリン法には37℃加温ステップが含まれます。
- 4. 直接抗グロブリン試験は、すでに生体内で赤血球に結合している抗体(主にIgGや補体)を検出する検査です。この検査自体は、37℃加温を必要としません。反応は室温で行われます。正しくは:直接抗グロブリン試験(カラム法)は、室温で行われます。選びやすい理由:抗グロブリン試験という名称から、間接抗グロブリン試験と同様に加温が必要だと誤解しやすいです。しかし、直接法は既に抗体が結合している状態を検出するため、体外での加温反応は不要です。混同注意:間接抗グロブリン試験と混同しやすく、IgG抗体の反応には37℃加温が必要だという知識が誤って適用されやすいです。
- 5. 正解。間接抗グロブリン試験は、血漿や血清中に存在する不規則抗体(特にIgG抗体)を検出するために行われます。IgG抗体は37℃で最も活性が高まるため、抗体と試験用赤血球を反応させるステップで37℃の加温が必須となります。その後、抗グロブリン血清を加えて反応を検出します。
国試ポイント
血液型・輸血検査における各検査の反応温度と、IgM抗体とIgG抗体の特徴(特に反応温度)を正しく理解しているかが問われています。特に、抗グロブリン試験(間接法と直接法)の原理と、それぞれに必要な条件の違いが重要です。
混同注意
直接抗グロブリン試験と間接抗グロブリン試験の反応条件。Rh血液型検査がIgG抗体を用いることと、間接抗グロブリン試験の加温ステップ。ABO血液型検査のIgM抗体とIgG抗体反応の差。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、各検査がどの血液型抗体(IgMかIgGか)を主なターゲットにしているか、そしてその抗体クラスの最適反応温度が何度かを確認することが重要です。特に、IgG抗体を検出する検査では37℃加温が必須となる場合が多いことを押さえます。
関連知識
血液型抗体のクラス(IgM, IgG)とそれぞれの最適反応温度。抗グロブリン試験(クームス試験)の直接法と間接法の原理、目的、および操作の違い。輸血検査における各種検査の目的と手順。