乳酸について誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
肝硬変では肝臓での乳酸の代謝・利用能力が低下するため、血中乳酸はむしろ増加する傾向にあります。したがって、「肝硬変で減少する」は誤った記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。肝硬変では肝臓での乳酸代謝能力が低下するため、血中乳酸はむしろ増加します。したがって、「減少する」は誤りです。選びやすい理由:肝機能低下に伴い様々な物質の代謝が低下するイメージがあるため、乳酸も減少すると誤解しやすいためです。混同注意:肝機能低下による他の物質(例:凝固因子、アルブミン)の減少との混同。
- 2. 筋肉は運動時に嫌気的解糖により乳酸を産生します。選びやすい理由:運動時の筋肉痛と関連付けて正しいと認識しやすい。混同注意:乳酸の産生臓器と消費臓器(肝臓、心臓、腎臓)との混同。
- 3. 低酸素状態では好気的解糖系が十分に機能せず、嫌気的解糖系が亢進し乳酸の産生が増加します。選びやすい理由:低酸素状態でのエネルギー産生経路の変化を理解していれば正しいと判断できる。混同注意:アシドーシス全般の病態生理との混同。
- 4. 乳酸は体内で乳酸イオン(陰イオン)と水素イオンに解離して存在します。選びやすい理由:酸であることから、プロトンを放出する性質を理解していれば正しいと判断できる。混同注意:乳酸そのもの(非解離型)と乳酸イオン(解離型)の存在形態の混同。
- 5. 乳酸アシドーシスでは、過剰な乳酸イオン(測定されない陰イオン)が増加するため、アニオンギャップが増加します。選びやすい理由:アニオンギャップ開大性アシドーシスとして典型的な例であるため、正しいと判断できる。混同注意:アニオンギャップ非開大性アシドーシスとの区別。
国試ポイント
乳酸の代謝経路(産生、消費)、乳酸アシドーシスの病態生理を理解する。
混同注意
乳酸の産生臓器(筋肉、赤血球など)と消費臓器(肝臓、腎臓など)を混同しやすい。また、乳酸アシドーシスと他のアシドーシス(例:ケトアシドーシス)でのアニオンギャップの変動を区別する。
次に同じ論点が出たら
乳酸の代謝経路(産生・消費)に関する記述は、肝臓や腎臓の機能障害との関連で必ずチェックする。
関連知識
乳酸は嫌気的解糖系最終産物であり、主に肝臓や腎臓でコリ回路を介して糖新生に利用される。乳酸アシドーシスは低酸素状態や肝不全などで引き起こされ、予後不良の指標となる。