酵素法が使用されない検査項目はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
総蛋白の測定には、一般的にビウレット法という、ペプチド結合と銅イオンが反応して発色する化学反応を利用した方法が用いられます。他の選択肢に挙げられている項目は、グルコースがグルコースオキシダーゼ法やヘキソキナーゼ法、HDL-コレステロールがコレステロールエステラーゼやコレステロールオキシダーゼを用いる酵素法で測定されます。カルシウムや総ビリルビンも、主流は化学発色法ですが、一部で酵素法が開発・利用されています。したがって、通常酵素法を使用しない項目として総蛋白が適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。総蛋白の測定には、ビウレット法や改良ローリー法などの化学反応に基づく方法が主に用いられ、酵素法は通常使用されません。これらの方法は、ペプチド結合と銅イオンの反応を利用して発色させる原理に基づいています。正しくは:総蛋白の測定は主にビウレット法などの化学反応法で行われる。選びやすい理由:他の項目が酵素法を用いるため、相対的に正答を選びやすい。混同注意:他のほとんどの生化学検査項目で酵素法が広く使われるため、酵素法が使われない項目を正確に把握しておく必要がある。
- 2. カルシウムの測定には、OCPC法(オルトクレゾールフタレインコンプレキソン法)やアルセナゾIII法などの発色試薬を用いる方法が主流です。また、近年では特定酵素を介した測定法も開発されていますが、一般的なスクリーニング検査では発色法が多く用いられます。しかし、酵素法が全く使用されないわけではないという点が誤りの可能性を低くする。正しくは:カルシウムの測定にはOCPC法やアルセナゾIII法が一般的であり、特定酵素法も存在する。選びやすい理由:カルシウム測定も発色法が主流であるため、酵素法ではないと誤解しやすい。混同注意:酵素法ではない化学発色法が一般的であるため、総蛋白と同様に酵素法ではないと判断しがちだが、一部で酵素法も存在するため、完全に否定はできない。
- 3. グルコースの測定には、グルコースオキシダーゼ法やヘキソキナーゼ法といった酵素法が広く利用されています。これらの酵素はグルコースに特異的に作用し、正確な測定を可能にします。正しくは:グルコース測定にはグルコースオキシダーゼ法やヘキソキナーゼ法などの酵素法が用いられる。選びやすい理由:グルコースは代表的な酵素法測定項目であり、誤答と判断しやすい。混同注意:この選択肢が誤りであることは比較的明らか。
- 4. 総ビリルビンは主にジアゾ法という化学反応に基づいた方法で測定されますが、最近ではビリルビンオキシダーゼ法などの酵素法も実用化されており、特に直接ビリルビン/間接ビリルビンの測定に利用されることがあります。正しくは:総ビリルビン測定にはジアゾ法が一般的だが、酵素法(ビリルビンオキシダーゼ法など)も存在する。選びやすい理由:ジアゾ法が主流であるため、酵素法ではないと誤解しやすい。しかし、酵素法も開発・利用されている。混同注意:主流はジアゾ法であるため、酵素法ではないと誤解する可能性がある。
- 5. HDL-コレステロールの測定には、直接法として特定の界面活性剤や酵素を用いてLDLやVLDLを除去し、HDL中のコレステロールを酵素法(コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼなど)で測定する方法が広く用いられています。正しくは:HDL-コレステロールは酵素法を用いて測定される。選びやすい理由:コレステロール関連の検査は酵素法が主流であり、誤答と判断しやすい。混同注意:この選択肢が誤りであることは比較的明らか。
国試ポイント
本問題は、臨床検査で頻繁に測定される各項目について、どのような測定原理(特に酵素法の有無)が用いられているかを問うものです。主要な生化学検査項目における測定原理の基礎知識が求められます。特に酵素法が「使用されない」項目を選ぶ点が重要です。
混同注意
カルシウムや総ビリルビンは、主に酵素法ではない化学発色法が用いられるため、総蛋白と混同しやすいですが、酵素法も一部存在するという点で鑑別が必要です。
次に同じ論点が出たら
個々の検査項目に対し、主に用いられる測定原理(酵素法、比色法、免疫法など)を正確に判断する能力。
関連知識
ビウレット法(総蛋白)、グルコースオキシダーゼ法(グルコース)、ヘキソキナーゼ法(グルコース)、コレステロールエステラーゼ/コレステロールオキシダーゼ法(コレステロール、HDL-C、LDL-C)、OCPC法(カルシウム)、ジアゾ法(ビリルビン)、ウレアーゼ法(尿素窒素)、クレアチニンイミナーゼ法(クレアチニン)。