アニオンギャップの計算に用いる陰イオンはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
アニオンギャップ(AG)は、血漿中の測定可能な陽イオン(主にNa+)と測定可能な陰イオン(Cl-とHCO3-)の差として計算され、測定不能な陰イオンの量を間接的に反映します。重炭酸(HCO3-)は主要な測定可能陰イオンの一つであるため、AGの計算に用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 硫酸は血漿中に存在するが、アニオンギャップの計算で通常用いられる主要な測定可能陰イオンではありません。高アニオンギャップ代謝性アシドーシス時に増加する測定不能陰イオンの一つではありますが、計算式には含まれません。正しくは:アニオンギャップの計算に用いる主要な陰イオンは重炭酸とクロールである。選びやすい理由:アシドーシスと関連が深いため、選択肢として魅力的だが、AG計算式には直接含まれない。混同注意:アニオンギャップが増加する原因となる酸(乳酸、ケトン酸など)と、AG計算式に直接含まれる電解質。
- 2. 正解。重炭酸(HCO3-)は、血漿中に比較的多く存在する測定可能な陰イオンであり、アニオンギャップの計算式(Na+ - (Cl- + HCO3-))に直接用いられます。選びやすい理由:アニオンギャップの計算式を正確に理解していれば、正しい選択肢です。混同注意:アニオンギャップの計算式を覚えていない場合、他の選択肢に迷う可能性があります。
- 3. アルブミンは陰性荷電を持つタンパク質であり、アニオンギャップを構成する測定不能陰イオンの主要な部分です。しかし、アルブミン自体はアニオンギャップの計算式に直接用いられる測定可能な陰イオンではありません。正しくは:アルブミンはアニオンギャップの主要な構成要素であるが、計算式に直接用いる測定可能陰イオンではない。選びやすい理由:アルブミンがアニオンギャップに大きく寄与することを知っていると、計算に用いると誤解しやすい。混同注意:アニオンギャップの計算式に直接用いられる測定可能電解質と、アニオンギャップの大部分を占める測定不能電解質。
- 4. カルボン酸は有機酸の一種であり、体内で代謝されうる酸です。血漿中に存在するが、アニオンギャップの計算で通常用いられる主要な測定可能陰イオンではありません。代謝性アシドーシス時に増加することでアニオンギャップを拡大させる原因とはなりえますが、計算式には直接含まれません。正しくは:アニオンギャップの計算に用いる主要な陰イオンは重炭酸とクロールである。選びやすい理由:アシドーシス時に増加する酸と混同しやすいが、AG計算式には含まれない。混同注意:アニオンギャップの計算式に直接含まれる電解質と、高アニオンギャップ性アシドーシスを引き起こす酸。
- 5. スルホン酸は血漿中に存在するが、アニオンギャップの計算で通常用いられる主要な測定可能陰イオンではありません。代謝性アシドーシス時に増加することでアニオンギャップを拡大させる原因とはなりえますが、計算式には直接含まれません。正しくは:アニオンギャップの計算に用いる主要な陰イオンは重炭酸とクロールである。選びやすい理由:化学的な酸の一種であり、アシドーシスと関連があるため、選択肢として迷いやすい。混同注意:アニオンギャップの計算式に直接含まれる電解質と、高アニオンギャップ性アシドーシスを引き起こす酸。
国試ポイント
アニオンギャップの計算式と、それに含まれる主要な電解質(Na+, Cl-, HCO3-)を覚える。また、AGが高値を示す病態(代謝性アシドーシス)を理解する。
混同注意
アニオンギャップの計算式で測定されるのは、陽イオンではNa+、陰イオンではCl-とHCO3-である。血液ガス分析で測定されるHCO3-と、血清電解質で測定されるHCO3-を区別せず、どちらもAG計算に用いられることを理解する。
次に同じ論点が出たら
次回同様の問題が出た場合は、アニオンギャップの計算式(AG = Na+ - (Cl- + HCO3-))を正確に想起し、式に含まれるイオンを選択できれば判断可能です。
関連知識
高アニオンギャップ代謝性アシドーシス(MUDPILESの鑑別)、正常アニオンギャップ代謝性アシドーシス(高クロール性アシドーシス)の原因。