水を対照としたときの試薬盲検および呈色溶液の透過率は、それぞれ80%、20%であった。試薬盲検を対照としたときの呈色溶液の吸光度はどれか。ただし、log 2=0.301とする。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
吸光度Aは透過率Tを用いて A = -log T で表されます。対照液を変更した場合の吸光度は、測定液の透過率 (T_sample) を対照液の透過率 (T_ref) で割った値の常用対数にマイナスをつけたもの、すなわち A = -log (T_sample / T_ref) で計算されます。本問題では、水を基準とした試薬ブランクの透過率が80% (T_ref = 0.8) であり、発色溶液の透過率が20% (T_sample = 0.2) です。したがって、A = -log (0.2 / 0.8) = -log (1/4) = -log (0.25) となります。この値は log 4 に等しく、log 4 = log (2^2) = 2 log 2 と変形できます。与えられた log 2 = 0.301 を代入すると、A = 2 × 0.301 = 0.602 となります。
選択肢ごとの解説
- 1. この値はlog 2に相当し、透過率が半分になる場合に該当します。問題の条件とは異なります。正しくは:この値は、透過率が50%の場合の吸光度です。選びやすい理由:log 2 = 0.301という情報が与えられているため、単純にこの値を回答してしまう可能性があります。混同注意:吸光度と透過率の基本的な関係は理解しているが、基準液の変更による計算の複雑さに混乱した可能性があります。
- 2. これは試薬ブランクの透過率80%の吸光度(-log 0.8 = -log (4/5) = -log 4 + log 5 = -2 log 2 + log (10/2) = -2 log 2 + 1 - log 2 = 1 - 3 log 2 = 1 - 3 * 0.301 = 1 - 0.903 = 0.097)や、発色溶液の透過率20%の吸光度(-log 0.2 = -log (1/5) = log 5 = log (10/2) = 1 - log 2 = 1 - 0.301 = 0.699)とも一致しません。正しくは:正しい計算経路をたどる必要があります。選びやすい理由:一見すると計算結果のように見えますが、論理的な計算でこの値にはなりません。混同注意:計算途中のどこかで誤りがあったか、あるいは全く異なる数値を導き出した可能性があります。
- 3. 正解。吸光度Aは透過率Tを用いて A = -log T で表されます。対照を変更した場合の吸光度は、対象液の透過率をT_ref、測定液の透過率をT_sample とすると、A = -log (T_sample / T_ref) となります。本問題では、水に対する試薬ブランクの透過率が80% (0.8)、発色溶液の透過率が20% (0.2) です。試薬ブランクを対照とするため、T_ref = 0.8、T_sample = 0.2 となります。したがって、A = -log (0.2 / 0.8) = -log (1/4) = -log (0.25) = log 4 = log (2^2) = 2 log 2 = 2 × 0.301 = 0.602 と計算されます。正しくは:計算式 A = -log (T_sample / T_ref) を正確に適用する。選びやすい理由:選択肢に与えられたlog 2の値を用いて、正しい計算順序で導き出されるため、計算能力が試されます。混同注意:対照液が変わる場合の吸光度の計算方法を理解していないと誤った答えを導きやすいです。
- 4. この値は、水を対照とした時の発色溶液の吸光度(-log 0.2 = -log (1/5) = log 5 = 1 - log 2 = 1 - 0.301 = 0.699)です。問題は「試薬盲検を対照とした時の」吸光度を求めています。正しくは:対照が「試薬盲検」であるという条件を見落とさずに計算する。選びやすい理由:水を対照としたときの吸光度を計算してしまい、問題文の要求を見落とす可能性があります。混同注意:基準液の変更が吸光度計算に与える影響を理解していないと、この選択肢を選んでしまいがちです。
- 5. この値は 3 × log 2 に相当します。問題の条件からの正しい計算結果とは異なります。正しくは:正しい計算経路をたどる必要があります。選びやすい理由:log 2の倍数であるため、何らかの計算結果と誤認しやすいです。混同注意:吸光度と透過率の関係、および対照液の変更による計算方法を混同している可能性があります。
国試ポイント
この問題は、吸光度と透過率の関係、特に「対照液を変更した場合の吸光度の計算」という応用的な知識を問うています。基本的なA = -log T の理解に加え、比率での計算能力と対数計算の正確さが求められます。
混同注意
水を対照としたままの発色溶液の吸光度(0.699)と混同しやすい。また、透過率の数値をそのまま使って計算ミスをすることもあります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず「何が対照(基準)になっているか」を正確に確認し、次に「測定溶液と対照溶液の透過率の比」を正しく計算できるかを確認します。最後に、対数計算を正確に行えるかがポイントです。
関連知識
吸光光度法の原理、Beer-Lambertの法則、対数計算の基本、ブランク補正の概念。