MHCクラスⅡ分子を発現している細胞はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
MHCクラスII分子は、主にプロフェッショナルな抗原提示細胞(APC)であるB細胞、マクロファージ、樹状細胞によって発現されます。これらの細胞は外来性の抗原をMHCクラスII分子上に提示し、CD4陽性ヘルパーT細胞に認識させることで、細胞性免疫や液性免疫の活性化を促します。
選択肢ごとの解説
- 1. 赤血球は核を持たないため、MHC分子をほとんど発現しません。MHC分子は細胞の核内遺伝子によってコードされています。正しくは:MHCクラスI分子もクラスII分子も発現しない。選びやすい理由:血液中の主要な細胞だが、免疫応答には直接関与しないためMHC分子の発現は少ないと誤解するかもしれない。混同注意:他の血球系細胞とのMHC発現の違い。
- 2. 血小板は細胞断片であり、核を持たないためMHC分子をほとんど発現しません。MHC分子は核内遺伝子によってコードされています。正しくは:MHCクラスI分子もクラスII分子も発現しない。選びやすい理由:赤血球と同様に、核を持たない細胞であることを失念していると選択肢として考えてしまうかもしれない。混同注意:赤血球と同様の理由でMHC発現がないこと。
- 3. 好中球は貪食能を持つ免疫細胞ですが、主要なMHCクラスII分子発現細胞ではありません。主にMHCクラスI分子を発現します。炎症時など、限定的な条件下でMHCクラスIIを発現することもありますが、通常はAPCとは見なされません。正しくは:主にMHCクラスI分子を発現する。選びやすい理由:免疫細胞なのでMHCクラスIIも発現すると誤解しやすい。食細胞であるため、抗原提示細胞と混同する可能性がある。混同注意:マクロファージや樹状細胞といった他の食細胞系細胞のMHCクラスII発現レベルとの違い。
- 4. T細胞はMHC分子を認識する側であり、通常はMHCクラスII分子を自ら発現して抗原提示を行うことはありません(ただし、活性化T細胞の一部では一過性にMHCクラスIIを発現することもありますが、主な発現細胞ではありません)。T細胞は主にMHCクラスI分子を発現しています。正しくは:主にMHCクラスI分子を発現する。選びやすい理由:T細胞は免疫系の重要な細胞なので、MHCクラスII分子との関連が深いと誤解しやすい。MHCクラスII分子を認識する細胞であるため、発現する細胞と混同する可能性がある。混同注意:MHCクラスII分子を認識する細胞と、MHCクラスII分子を発現する細胞。
- 5. 正解。B細胞はプロフェッショナルな抗原提示細胞(APC)の一つであり、MHCクラスII分子を恒常的に高レベルで発現しています。これにより、抗原を取り込み、処理してMHCクラスII分子に提示し、ヘルパーT細胞に提示することができます。選びやすい理由:MHCクラスII分子を発現する細胞として、B細胞は代表的である。混同注意:他のリンパ球(T細胞、NK細胞)とのMHC発現の違い。
国試ポイント
MHCクラスI分子とクラスII分子の発現パターンおよびそれぞれの機能の違いを理解しているかが問われています。特に、どの細胞が主要な抗原提示細胞(APC)としてMHCクラスII分子を発現するかが重要です。
混同注意
MHCクラスI分子とクラスII分子の発現細胞と機能、プロフェッショナルAPCと非プロフェッショナルAPCの違い、T細胞がMHCを認識する側であること。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、次はMHCクラスI分子を発現する細胞、あるいはMHCクラスII分子の機能(提示する抗原の種類や共役するT細胞のタイプ)について問われる可能性が高い。
関連知識
MHCクラスI分子は有核細胞のほとんどで発現し、細胞内の抗原(ウイルス感染細胞やがん細胞)をCD8陽性T細胞に提示する。MHCクラスII分子は限られた細胞(APC)で発現し、細胞外の抗原をCD4陽性T細胞に提示する。