イムノクロマト法による尿中抗原検査が行われるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
イムノクロマト法による尿中抗原検査は、レジオネラ・ニューモフィラ(レジオネラ肺炎)と肺炎球菌(肺炎球菌性肺炎、髄膜炎)の迅速診断に広く用いられています。これらの菌は、菌体の一部が尿中に排泄される特徴があり、それを抗原として検出することで感染を診断します。
選択肢ごとの解説
- 1. インフルエンザ菌による感染症で尿中抗原検査は一般的に行われません。通常は培養検査やPCR検査などで診断されます。正しくは:インフルエンザ菌は髄膜炎や肺炎の原因となりますが、尿中抗原検査の対象ではありません。選びやすい理由:小児の肺炎や髄膜炎の原因菌として有名であるため、抗原検査の対象となりそうだと誤解しやすいかもしれません。混同注意:尿中抗原検査の対象となる他の菌種と混同している可能性があります。
- 2. 正解。レジオネラ肺炎の診断において、尿中抗原検査は迅速かつ有用な検査法として広く用いられています。特に本菌の血清群1が検出されます。
- 3. 髄膜炎菌による感染症では、通常、血液や髄液の培養検査、あるいはPCR検査が主な診断方法であり、尿中抗原検査は一般的ではありません。正しくは:髄膜炎菌は髄膜炎の原因となりますが、尿中抗原検査の対象ではありません。選びやすい理由:髄膜炎の主要な原因菌の一つであり、重症感染症を引き起こすため、迅速診断法が使われそうだと考えやすいかもしれません。混同注意:他の髄膜炎起因菌(肺炎球菌など)の検査法と混同している可能性があります。
- 4. B群溶血連鎖球菌は新生児敗血症や髄膜炎の原因となりますが、尿中抗原検査は診断の主な方法ではありません。通常は培養検査で検出されます。正しくは:B群溶血連鎖球菌は新生児感染症の重要な原因菌ですが、尿中抗原検査の対象ではありません。選びやすい理由:新生児感染症のスクリーニングなどで検出されることがあるため、抗原検査の対象だと誤解しやすいかもしれません。混同注意:他のレンサ球菌(肺炎球菌など)の検査法と混同している可能性があります。
- 5. 正解。肺炎球菌性肺炎や髄膜炎の診断において、尿中抗原検査は迅速で高感度な検査法として広く普及しており、特に成人で有用です。
国試ポイント
この問題は、特定の感染症の診断に用いられる迅速検査法であるイムノクロマト法(尿中抗原検査)の適用疾患とその原因菌についての知識を問うものです。特に、臨床検査技師として頻繁に遭遇する疾患とその検査法を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
尿中抗原検査の対象となる菌種と、血液や髄液、喀痰などの他の検体で検出される菌種や、培養検査が主となる菌種を混同しやすいです。特に、髄膜炎や肺炎の原因菌は複数あるため、どの菌が尿中抗原検査の対象になるかを明確に区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、他の感染症(例: インフルエンザ、RSウイルス、マイコプラズマなど)の迅速診断法(例: PCR法、LAMP法、蛍光抗体法など)の適用疾患とその特徴についても確認し、各検査法の利点・欠点、適用検体を整理しておく必要があります。また、特定感染症に対するガイドラインで推奨される検査法も参照すると良いでしょう。
関連知識
イムノクロマト法は、抗原抗体反応を応用した迅速検査法であり、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルスなどのウイルス性疾患の迅速診断にも広く用いられています。また、尿中抗原検査以外にも、便中抗原検査(ロタウイルス、アデノウイルスなど)、喀痰抗原検査(一部)など、様々な検体で応用されています。診断において、迅速性に優れる一方で、感度や特異度が培養検査などに劣る場合がある点も理解しておく必要があります。