肺拡散能力の1回呼吸法による測定用吸入ガスに含まれないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
肺拡散能力の測定(特に単回呼吸法、DLCO)では、微量の一酸化炭素(CO)が肺胞毛細血管膜を通過する速度を測定し、不活性ガスであるヘリウム(He)の希釈率から肺胞容積を算出します。この際、被験者の生理的状態を保つために酸素(O2)も吸入ガスに含まれます。一方、二酸化炭素(CO2)は生体内で産生され、呼吸によって排出されるガスであり、拡散能力の測定には通常使用されません。
選択肢ごとの解説
- 1. 一酸化炭素は肺胞毛細血管膜を通過するガスとして使用され、拡散能力を評価するための主要な成分です。血液中のヘモグロビンと強く結合するため、ごく低濃度で利用されます。正しくは:一酸化炭素(CO)は肺拡散能力測定の必須成分である。選びやすい理由:毒性があるため含まれないと誤解する可能性があるが、ごく低濃度で使用される。混同注意:毒性ガスであることと、測定に利用されることの区別。
- 2. 正解。二酸化炭素は通常の吸入ガスには含まれません。拡散能力の測定では、肺胞内の一酸化炭素が血液に取り込まれる割合を評価し、不活性ガス(ヘリウムなど)の希釈率から肺胞量を算出します。二酸化炭素は生体内で産生され、呼吸によって排出されるため、吸入ガスに含めると測定結果が複雑になり、拡散能力の指標としては不適切です。正しくは:二酸化炭素(CO2)は肺拡散能力測定の吸入ガスには含まれない。選びやすい理由:COと似た表記で、COが測定に使われるため、CO2も使われると誤解しやすい。混同注意:COとCO2の役割の違い。
- 3. ヘリウムは不活性ガスとして吸入ガスに含まれます。肺胞内でほとんど吸収されないため、吸入後の希釈率から肺胞容積を算出するトレーサーガスとして機能します。正しくは:ヘリウム(He)は肺拡散能力測定における肺胞量算出のための不活性ガスとして使用される。選びやすい理由:不活性ガスであるため、測定に直接関与しないと誤解する可能性があるが、肺胞容積の指標として重要。混同注意:拡散に関わるガスと、肺胞容積測定に関わるガスの役割。
- 4. 窒素は通常の大気中に約78%含まれるガスであり、吸入ガス中の酸素と混合されて使用されます。ただし、特に単回呼吸法では、吸入ガス中の窒素濃度を低く保ち、肺胞内の窒素の洗い出し(washout)を利用して残気量を測定する場合があります。しかし、拡散能力測定用の混合ガス自体には、不活性ガスとしてのヘリウムと酸素、そして微量の一酸化炭素が主要であり、窒素は大気中の希釈成分として存在することが多いです。正しくは:窒素(N2)は空気の主成分であり、吸入ガス中で酸素とともに存在するが、特に測定の主体となるガスではない。吸入ガスとして別途添加されるものではない。選びやすい理由:大気中に多く含まれるため、測定ガスに混ざっていると勘違いしやすい。混同注意:空気中の成分と、測定のために意図的に添加される成分の区別。
- 5. 酸素は吸入ガスに含まれる主要な成分の一つです。被験者の低酸素血症を防ぎ、生理的な呼吸状態を維持するために使用されます。正しくは:酸素(O2)は肺拡散能力測定の吸入ガスに含まれる必須成分である。選びやすい理由:高濃度の酸素は肺に影響を与えるため、含まれないと誤解する可能性があるが、生理的な濃度で用いられる。混同注意:酸素の生理的役割と、測定における役割。
国試ポイント
肺拡散能力測定における吸入ガス組成の知識を問う問題です。各ガスの役割(拡散ガス、不活性ガス、生理的ガス)を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
一酸化炭素(CO)と二酸化炭素(CO2)の区別、およびそれぞれの測定における役割。
次に同じ論点が出たら
肺拡散能力が低下する疾患(例:肺線維症、肺気腫)と増加する疾患(例:肺出血)について問われる可能性があるか。
関連知識
肺拡散能力(DLCO)測定の原理、ヘンリーの法則、フィックの法則。