右上腹部走査による超音波Bモード像(別冊No. 4)を別に示す。矢印で示すのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
超音波Bモード画像において、右上腹部(特に肝門部)で門脈、肝動脈と並んで確認される管状構造で、比較的円形に近い無エコー像として描出されているのは総胆管の典型的な所見です。肝門部トライアングル(門脈、肝動脈、総胆管)の解剖学的位置関係を理解していることが重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 門脈は肝臓内で比較的太く、エコー輝度が高い壁を持つことが多いですが、一般的に胆管より太く、分岐パターンも異なります。この画像では、矢印の先の構造が典型的な門脈の描出とは異なります。正しくは:門脈は肝内では肝門部から枝分かれし、肝臓の大部分に血液を供給しています。特徴的なエコー像は内壁のエコー輝度が高いことです。選びやすい理由:肝臓の近傍に位置するため、肝臓関連の血管と混同しやすいです。混同注意:肝動脈や肝静脈、あるいは総胆管と区別がつきにくい場合があります。
- 2. 肝静脈は肝臓内で、主に肝表面に向かって収束し、下大静脈に注ぐ血管です。壁のエコー輝度は低く、門脈とは異なります。矢印の構造は肝静脈の走行や形態とは異なります。正しくは:肝静脈は肝臓から血液を下大静脈へ送る血管で、エコーでは壁が薄く、門脈よりも内腔が不整に見えることがあります。選びやすい理由:肝臓内の主要な血管であるため、選択肢として考慮されやすいです。混同注意:門脈や他の肝内血管と混同されることがあります。
- 3. 肝動脈は門脈に比べて細く、通常は門脈の近くを伴走しています。超音波Bモードでは識別が難しいことが多く、ドプラ法で血流を確認しないと確定は困難です。矢印の構造は肝動脈の一般的な描出とは異なります。正しくは:肝動脈は肝臓に酸素を供給する動脈で、門脈より細く、通常は門脈の周囲に位置します。選びやすい理由:門脈と伴走するため、その存在を意識して選択肢として選びやすいです。混同注意:門脈や総胆管と位置的に近いことから誤認しやすいです。
- 4. 主膵管は膵臓の中央を走行する管で、超音波検査では膵臓の内部に描出されます。この画像は右上腹部(肝門部付近)のものであり、主膵管がこの位置に描出されることはありません。正しくは:主膵管は膵臓内部に位置し、通常は膵臓の超音波検査時に確認されます。この画像の位置とは明らかに異なります。選びやすい理由:管状構造であるため、他の管状構造と混同する可能性がありますが、解剖学的な位置が全く異なります。混同注意:解剖学的な位置関係を把握していないと、他の管状構造と混同する可能性があります。
- 5. 正解。総胆管は肝門部で肝動脈や門脈と伴走し、膵頭部を経て十二指腸に開口する管です。超音波Bモード像では、肝門部付近で丸く、比較的きれいな円形や楕円形として描出されることが多く、無エコーまたは低エコー像として確認されます。この画像で矢印が指し示す構造は、肝門部での総胆管の典型的な超音波像に合致します。
国試ポイント
超音波検査における肝門部の解剖学的構造(特に門脈、肝動脈、総胆管)の識別能力が問われています。それぞれの構造物の超音波Bモードでの特徴的な描出様式と位置関係を理解している必要があります。画像から正確に構造物を同定できるかがポイントです。
混同注意
門脈、肝動脈、肝静脈といった肝臓周囲の他の血管や、主膵管のような隣接臓器の管状構造と混同しやすいです。特に肝門部では門脈、肝動脈、総胆管が近接して走行するため、それぞれの超音波像の特徴を正確に把握しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合は、まず画像がどの解剖部位を示しているかを確認し、次に矢印が指す構造が管腔臓器か血管かを判断します。そして、その位置関係とエコー特性から最も合致する選択肢を選びます。特に肝門部では「トライアングル」の概念を想起し、各構造物の同定を試みます。
関連知識
・肝門部の解剖学:門脈、肝動脈、総胆管の走行と位置関係。・超音波Bモードにおける各構造物のエコー像の特徴:血管(壁のエコー輝度、血流の有無)、胆管(無エコー、壁の薄さ)。・総胆管径の正常値と拡張時の病態。