Staphylococcus aureusのメチシリン耐性の判定に用いるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の耐性判定には、β-ラクタム系抗生物質であるオキサシリンが標準的に用いられます。これは、MRSAがメチシリンなどのペニシリン系薬剤だけでなく、セフェム系など広範囲のβ-ラクタム系薬剤に耐性を示すため、オキサシリンの感受性を確認することで、その耐性の有無を評価できるからです。特に、MRSAの耐性メカニズムであるPBP2aの産生は、オキサシリンやセフォキシチンなどの感受性低下として現れます。
選択肢ごとの解説
- 1. ペニシリンGは、β-ラクタム系抗生物質の一種であり、メチシリン感受性のブドウ球菌に対しては有効ですが、メチシリン耐性の判定には直接用いられません。MRSAはペニシリン結合タンパク(PBP)の構造変化によりβ-ラクタム系全般に耐性を示すため、ペニシリンGの感受性ではMRSAを正確に識別できません。正しくは:メチシリン耐性の判定には、メチシリン感受性の指標となる特定の薬剤が使用されます。選びやすい理由:β-ラクタム系抗生物質の代表例として知られているため、関連性を感じやすいかもしれません。混同注意:広義のβ-ラクタム系抗生物質であるため、耐性菌の話題で連想されやすいですが、判定薬としては不適切です。
- 2. 正解。オキサシリンは、メチシリン系β-ラクタム薬の一種であり、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の判定において、その感受性を評価するための標準的な薬剤として用いられます。PBP2aの産生によりオキサシリンに対するMICが上昇することで、メチシリン耐性が確認されます。
- 3. セファゾリンは、第一世代セフェム系抗生物質であり、メチシリン感受性の黄色ブドウ球菌には有効ですが、MRSAの判定に直接用いられる薬剤ではありません。MRSAはセファゾリンを含む多くのβ-ラクタム系抗生物質に耐性を示します。正しくは:メチシリン耐性の判定には、オキサシリンやセフォキシチンが標準的に用いられます。選びやすい理由:セフェム系もβ-ラクタム系であり、ブドウ球菌感染症の治療に用いられることがあるため、関連性を感じるかもしれませんが、判定薬ではありません。混同注意:他のβ-ラクタム系抗生物質と混同されやすいですが、MRSA判定薬としては適切ではありません。
- 4. バンコマイシンは、MRSA感染症の治療に用いられる重要な薬剤であり、グリコペプチド系抗生物質です。しかし、MRSAの「メチシリン耐性」を判定するための指標薬ではありません。バンコマイシン感受性の判定は別途行われます。正しくは:バンコマイシンはMRSA治療薬であり、MRSAの耐性「判定」にはオキサシリンが使われます。選びやすい理由:MRSAに関連する重要な薬剤であるため、正解と誤解しやすいですが、その役割は治療であり、メチシリン耐性の判定ではありません。混同注意:MRSAの治療薬と判定薬の区別が曖昧になりやすいです。
- 5. テイコプラニンもバンコマイシンと同様にグリコペプチド系抗生物質であり、MRSA感染症の治療に用いられます。しかし、メチシリン耐性を判定するための指標薬ではありません。正しくは:テイコプラニンはMRSA治療薬であり、MRSAの耐性「判定」にはオキサシリンが使われます。選びやすい理由:バンコマイシンと同じくMRSA治療薬として知られているため、関連性から選択しやすいですが、判定薬ではありません。混同注意:バンコマイシンと同様に、MRSAの治療薬と判定薬の区別が曖昧になりやすいです。
国試ポイント
本問題は、微生物検査学における薬剤感受性試験、特にMRSAの判定に用いられる代表的な薬剤に関する知識を問うものです。特定の耐性菌と、その耐性を評価するために使用される指標薬剤の組み合わせを正確に理解しているかがポイントとなります。治療薬と判定薬の区別も重要です。
混同注意
MRSAの「治療薬」(バンコマイシン、テイコプラニンなど)と「耐性判定薬」(オキサシリン、セフォキシチンなど)が混同されやすい。また、他のβ-ラクタム系抗生物質(ペニシリンG、セファゾリンなど)が、MRSA耐性の判定薬として不適切である点も理解しておく必要がある。
次に同じ論点が出たら
次回、同じ論点が出題された場合、MRSAの判定薬としてオキサシリンの他にセフォキシチンが選択肢にあるか、あるいはVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)やESBL(基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ)産生菌など、他の耐性菌の判定薬についても問われているかを確認します。
関連知識
MRSAの耐性機序(mecA遺伝子によるPBP2a産生)、PBP(ペニシリン結合タンパク)、β-ラクタム系抗生物質の種類と作用機序、薬剤感受性試験法(ディスク拡散法、微量液体希釈法、Eテストなど)、CLSIやJSCMなどの標準的な検査ガイドライン。