目的菌と分離培地の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ディフィシル菌(Clostridioides difficile)の選択分離培地として、CCFA寒天培地は非常に有効です。この培地にはセフォキシチンとサイクロセリンという抗菌薬が添加されており、これらが他の多くの腸内細菌の増殖を抑制します。また、ディフィシル菌がフルクトースを発酵する特性を利用し、コロニー周辺が黄色く変色することで識別されます。これは偽膜性大腸炎の診断において重要な検査であり、臨床検査技師として正確な知識が求められます。
選択肢ごとの解説
- 1. サルモネラ菌の分離には、SS寒天培地やDHL寒天培地など、腸内細菌用の選択培地が一般的に使用されます。BBE寒天培地は主にバクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)などの嫌気性菌の分離に用いられます。正しくは:サルモネラ菌にはSS寒天培地やDHL寒天培地など。選びやすい理由:菌名と培地名の組み合わせが多いため、知識があいまいな場合、適切な組み合わせに見えることがある。混同注意:BBE寒天培地が嫌気性菌用であること。
- 2. 結核菌の培養には、GC寒天培地(小川培地)やMGIT培地などの専用培地が必要です。Skirrow寒天培地は、主にカンピロバクター(Campylobacter)属菌の分離に用いられます。正しくは:結核菌には小川培地(GC寒天培地)やMGIT培地など。選びやすい理由:どちらも感染症の原因菌であるため、関連があるように感じられるかもしれない。混同注意:Skirrow寒天培地がカンピロバクター属菌用であること。
- 3. レジオネラ・ニューモフィラは特殊な栄養要求性を持つため、BCYEα寒天培地のようなシステインや鉄塩を含む培地が必要です。通常の5%ヒツジ血液寒天培地では発育が困難です。正しくは:レジオネラ・ニューモフィラにはBCYEα寒天培地など。選びやすい理由:一般的な細菌の培養によく使われる5%ヒツジ血液寒天培地なので、知識が不確かな場合、発育できると誤解しやすい。混同注意:レジオネラの特殊な栄養要求性と、血液寒天培地の一般的な適用範囲。
- 4. 百日咳菌の分離には、ボルデー・ジャンクー培地やRegan-Lowe培地のような特殊な培地が必要です。GC寒天培地は、主に淋菌(Neisseria gonorrhoeae)や髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)などのナイセリア属菌の培養に用いられます。正しくは:百日咳菌にはボルデー・ジャンクー培地やRegan-Lowe培地など。選びやすい理由:GC寒天培地も百日咳菌も呼吸器系の感染症に関わるため、関連があるように見えるかもしれない。混同注意:GC寒天培地がナイセリア属菌用であること。
- 5. 正解。ディフィシル菌 (Clostridioides difficile) は、偽膜性大腸炎などの原因菌であり、その選択分離培地としてCCFA寒天培地(Cefoxitin Cycloserine Fructose Agar)が広く用いられます。この培地は、セフォキシチンとサイクロセリンによって他の腸内細菌の発育を抑え、フルクトースを分解してコロニー周囲を黄色に変化させることでディフィシル菌を識別します。
国試ポイント
本問題は、病原性細菌とその選択分離培地の組み合わせに関する基本的な知識を問うものです。特に、各菌種の特殊な栄養要求性や抗菌薬感受性に基づく選択培地の特性を理解しているかが試されます。国家試験では、主要な病原菌とそれに特異的な培地の組み合わせを正確に覚えていることが重要です。
混同注意
各菌種は独自の分離培地を持つため、関連性のない菌種と培地が混同されやすい。特に、一般的な培地(血液寒天培地、GC寒天培地など)と特殊な選択培地(BCYEα培地、CCFA培地など)の区別が曖昧になりやすい。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、主要な病原性細菌(腸管系病原菌、呼吸器系病原菌、嫌気性菌など)と、その分離に用いられる特徴的な選択培地・鑑別培地の組み合わせを重点的に確認しましょう。特に、培地に含まれる選択因子(抗菌薬、色素など)や鑑別因子(糖、指示薬など)の役割まで理解すると応用力がつきます。
関連知識
細菌の培養には、基礎培地、増殖培地、選択培地、鑑別培地など様々な種類があります。選択培地は特定の菌種の発育を促進し、他の菌種の発育を抑制する薬剤や成分を含みます。鑑別培地は、菌種が持つ特定の生化学的性状(例:糖分解能、酵素活性)に基づいてコロニーの形態や培地の変化として識別できるように設計されています。ディフィシル菌のCCFA培地は、選択性と鑑別性を兼ね備えています。