TCBS寒天培地で黄色コロニーを形成するVibrio属菌はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
TCBS寒天培地は、Vibrio属菌の分離・鑑別に特化した選択培地です。この培地は高濃度のショ糖を含んでおり、ショ糖を発酵する菌は黄色コロニーを、ショ糖を発酵しない菌は緑色または青緑色のコロニーを形成します。Vibrio choleraeとVibrio fluvialisはショ糖を発酵するため黄色コロニーを形成しますが、Vibrio mimicus、Vibrio parahaemolyticus、Vibrio vulnificusはショ糖を発酵しないため緑色または青緑色のコロニーを形成します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。コレラ菌はTCBS寒天培地でショ糖を利用するため、黄色のコロニーを形成します。これはVibrio属菌の鑑別において重要な特徴です。
- 2. 正解。Vibrio fluvialisはTCBS寒天培地でショ糖を発酵するため、黄色のコロニーを形成します。これは他の非発酵性Vibrio属菌との鑑別に用いられます。
- 3. Vibrio mimicusはTCBS寒天培地でショ糖を分解しないため、緑色または青緑色のコロニーを形成します。正しくは:緑色または青緑色のコロニーを形成します。選びやすい理由:Vibrio属菌なので、TCBS寒天培地で培養されることは知識としてあるため、黄色コロニーと混同する可能性があります。混同注意:コレラ菌 (V. cholerae) やV. fluvialisなどのショ糖利用菌と混同しやすいです。
- 4. 腸炎ビブリオはTCBS寒天培地でショ糖を利用しないため、緑色または青緑色のコロニーを形成します。正しくは:緑色または青緑色のコロニーを形成します。選びやすい理由:最もよく知られたVibrio属菌の一つであるため、その名前から安易に正答と判断してしまう可能性があります。混同注意:コレラ菌 (V. cholerae) などのショ糖利用菌と混同しやすいです。
- 5. Vibrio vulnificusはTCBS寒天培地でショ糖を利用しないため、緑色または青緑色のコロニーを形成します。正しくは:緑色または青緑色のコロニーを形成します。選びやすい理由:重症感染症の原因菌として知られているため、重要な菌として正答と判断しがちです。混同注意:コレラ菌 (V. cholerae) やV. fluvialisなどのショ糖利用菌と混同しやすいです。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、特定の培地における代表的な細菌の性状(特にコロニーの色や形態)について問われることが頻繁にあります。特にVibrio属菌のTCBS培地における性状は、鑑別の基礎として重要です。
混同注意
TCBS培地でのショ糖発酵の有無によるコロニー色の違い(黄色か緑色か)が混同しやすいポイントです。多くのVibrio属菌が緑色コロニーを形成するため、黄色コロニーを形成する例外的な菌を正確に覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、TCBS培地以外の選択培地(例: SS寒天培地、DHL寒天培地)における重要菌のコロニー性状、またはVibrio属菌の他の鑑別項目(O/129感受性、塩分要求性、オキシダーゼ試験の結果など)が問われる可能性があります。
関連知識
TCBS寒天培地は、チオ硫酸クエン酸胆汁塩ショ糖寒天培地の略称で、Vibrio属菌以外の腸内細菌の増殖を抑制する選択性があります。アルカリ性の環境と胆汁塩が特徴的です。O/129感受性試験や塩分要求性などもVibrio属菌の鑑別には重要です。