グリコアルブミン〈GA〉について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
グリコアルブミンは、赤血球の寿命の影響を受けないため、貧血や腎不全(透析)などで赤血球の代謝が変動する患者において、HbA1cよりも正確な血糖コントロールの指標として有用です。特に透析患者では、貧血治療や赤血球の代謝異常によりHbA1cが実際よりも低く算出されることがあるため、GAが適切な指標となります。
選択肢ごとの解説
- 1. GAの値はアルブミンの血糖値による糖化の程度を反映するため、鉄欠乏性貧血そのものによって直接的に高値になることはありません。鉄欠乏性貧血は赤血球の産生・機能に影響を与えますが、アルブミンの糖化とは直接関係しません。正しくは:鉄欠乏性貧血では、GAの値に直接的な大きな影響はないか、貧血の重症度によってはアルブミン代謝回転の変化が起こりうるが、一般的に高値になるわけではない。選びやすい理由:貧血と血糖指標の関係が複雑であるため、「何か影響がある」と漠然と考えてしまう可能性があります。特にHbA1cとの関連を誤解していると選びやすいかもしれません。混同注意:HbA1cは赤血球の寿命に影響されるため、溶血性貧血などで低値化することがあります。GAはアルブミンを指標とするため、赤血球の寿命の影響を受けにくいという特徴を、鉄欠乏性貧血による「高値」と混同しやすいです。
- 2. グリコアルブミンの一般的な基準範囲は11.0~16.0%程度であり、6.2%以下というのは誤りです。6.5%はHbA1cの糖尿病診断基準値に近いため、混同を誘う選択肢です。正しくは:基準範囲は通常11.0%~16.0%程度である。選びやすい理由:HbA1cの糖尿病診断基準値(6.5%)と数字が似ているため、うろ覚えの受験生が混同しやすいポイントです。混同注意:HbA1cの糖尿病診断基準値(JDS値、NGSP値)とグリコアルブミンの基準値を混同しやすいです。
- 3. グリコアルブミンは、アルブミンの半減期(約17~20日)を反映するため、およそ1~2週間から2~3週間程度の比較的短期間の血糖コントロール状態を示します。2か月間を反映するのは主にHbA1cです。正しくは:およそ1~2週間から2~3週間程度の血糖値の平均を反映する。選びやすい理由:HbA1cが過去1~2か月間(約4~8週間)の血糖値を反映するため、その期間と混同しやすいです。混同注意:HbA1cが過去1~2か月(約4~8週間)の血糖値を反映するのに対し、GAはアルブミンの半減期である約2~3週間(約17~20日)の血糖値を反映します。この期間の差を混同しやすいです。
- 4. グリコアルブミンは、アルブミン分子のリジン残基などのアミノ基にグルコースが非酵素的に結合(糖化)したものです。バリンに安定的に糖が結合するのはHbA1c(ヘモグロビンA1c)の特徴です。正しくは:アルブミン分子のリジン残基に安定して糖が結合したものである。選びやすい理由:HbA1cの構成要素である「バリンに糖が結合」という記述とGAの「糖が結合したもの」という共通項から、知識が曖昧な場合に選びやすいです。混同注意:ヘモグロビンA1c(HbA1c)はヘモグロビンのβ鎖N末端のバリンに糖が結合したもの、グリコアルブミン(GA)はアルブミンのリジン残基に糖が結合したものです。この違いを混同しやすいです。
- 5. 正解。透析患者では、腎性貧血や赤血球輸血、エリスロポエチン製剤の使用などにより赤血球の寿命が変動しやすく、HbA1cの値が不正確になることがあります。グリコアルブミンは赤血球の影響を受けず、アルブミンの半減期(約2~3週間)を反映するため、透析患者さんの短期間の血糖変動を評価するのに適した指標とされています。
国試ポイント
グリコアルブミン(GA)の基本的な性質(測定対象、糖化部位、反映期間、利点・欠点、特にHbA1cとの比較)を問う問題です。特に、透析患者や溶血性貧血患者におけるHbA1cの限界とGAの有用性は頻出の論点です。
混同注意
HbA1cとGAの測定対象、糖化部位、血糖反映期間、各病態(貧血、腎不全など)における適応・不適応。
次に同じ論点が出たら
グリコアルブミンとHbA1cのいずれを血糖コントロールの指標として選択すべきか、具体的な患者背景(腎不全、透析、溶血性貧血、鉄欠乏性貧血など)が与えられた場合に判断できるか。各指標の長所と短所を理解しているか。
関連知識
糖尿病診断基準(HbA1c、血糖値)、その他の血糖コントロール指標(1,5-AG、フルクトサミン)、アルブミンの生理学、腎性貧血とその治療。