免疫学的便潜血検査で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
免疫学的便潜血検査は、ヒトヘモグロビンに対する抗体を用いた検査であり、大腸からの出血を検出する。大腸癌や大腸ポリープからの出血は間欠的であることが多いため、複数回の検査(特に連続した2日間)で便を採取することで、出血機会を捉えやすくなり、検出率(陽性率)が向上する。
選択肢ごとの解説
- 1. 痔核からの出血は、ヒトヘモグロビンを検出する免疫学的便潜血検査で陽性となる可能性がある。痔核は消化管の一部ではないが、肛門付近の血管からの出血であるため、便に混入すれば陽性反応を示す。正しくは:痔核があっても陽性となる可能性がある。選びやすい理由:痔核は良性疾患であり、大腸癌などの重大な疾患と区別されるため、検査では陽性とならないと誤解しやすい。混同注意:免疫学的便潜血検査の検出対象を、大腸内からの出血に限定的に考えすぎていること。
- 2. 大腸ポリープ、特に腺腫性ポリープからの出血は免疫学的便潜血検査で陽性となる。出血が間欠的であるため、1回の検査では陰性でも、複数回行うことで陽性となる場合がある。正しくは:大腸ポリープがあっても陽性となる可能性がある。選びやすい理由:ポリープからの出血量が少ない場合や、常に便中に血液が混じるわけではないため、陽性とならないと誤解しやすい。混同注意:ポリープからの出血が常に起こるわけではないという事実と、検査の限界を混同していること。
- 3. 免疫学的便潜血検査は、ヒトヘモグロビンを特異的に検出するため、肉や魚などの食品中の動物性ヘモグロビンには反応しない。そのため、検査前に食事内容の制限は不要である。正しくは:検査を受ける前に食事内容の制限は必須ではない。選びやすい理由:過去に用いられた化学法便潜血検査では食事制限が必要であったため、その知識と混同しやすい。混同注意:化学法便潜血検査(グアヤック法)の食事制限と、免疫学的便潜血検査の不要な食事制限。
- 4. 正解。大腸癌やポリープからの出血は間欠的であるため、1日だけの検査では見逃す可能性がある。連続した2日間など、複数回便を採取することで出血の機会を捉えやすくなり、検査の陽性率(検出率)が向上する。選びやすい理由:最も標準的な検査プロトコルに関する正確な知識を問う選択肢であり、他の選択肢が誤りであることが明確なため。混同注意:単回検査の限界と複数回検査のメリット。
- 5. 免疫学的便潜血検査の早期大腸癌に対する感度は、一般的に90%より低い。報告にもよるが、早期大腸癌で30〜50%程度、進行癌でも70〜80%程度とされる。90%は過大な評価である。正しくは:大腸早期癌のスクリーニング検査としては、90%より低い感度を示す(例:30-50%程度)。選びやすい理由:スクリーニング検査として広く用いられているため、非常に高い感度を持つと期待しがちである。混同注意:感度の具体的な数値や、スクリーニング検査としての役割と診断検査としての役割の違い。
国試ポイント
免疫学的便潜血検査の原理、特徴、スクリーニングにおける意義と限界を理解する。
混同注意
化学法便潜血検査との違い(食事制限の有無、検出対象など)、そして感度と特異度の概念。
次に同じ論点が出たら
便潜血検査の具体的な方法論や、なぜその方法が有効であるのか(間欠的出血の検出など)を問う選択肢に注目し、検査の原理と臨床的意義を結びつけて判断する。
関連知識
大腸癌検診の二次検査(精密検査)は全大腸内視鏡検査であること、大腸癌の危険因子。