心臓超音波像別冊No.72を別に示す。矢印で示すアーチファクトの原因はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
画像では、心腔内に弁尖から離れて虚像が描出されており、これは超音波ビームの主軸から離れた位置の振動(サイドローブ)によって、本来の構造とは異なるエコーが発生したものです。
選択肢ごとの解説
- 1. 音響陰影は、強い反射体や吸収体の後方に超音波が到達せず、無エコー域として描出される現象であり、画像所見とは異なる。正しくは:音響陰影は、結石や石灰化などの高エコー構造物の後方に低エコーまたは無エコーとして描出される。選びやすい理由:アーチファクトの一種であるため、混同しやすい。混同注意:音響増強(後方エコー増強)
- 2. 鏡面現象は、超音波が滑らかな界面で反射し、その反射波が逆方向に進み、さらに別の構造物で反射して探触子に戻ることで、実像と対称の位置に虚像が描出される現象であり、画像所見とは異なる。正しくは:鏡面現象は、心嚢水貯留時などに心臓の背側に横隔膜を境にして心臓の虚像が描出される場合などに見られる。選びやすい理由:「虚像」という点がサイドローブと共通するが、発生機序と描出部位が異なるため、注意が必要。混同注意:多重反射
- 3. 多重反射は、探触子と強い反射体の間、または複数の強い反射体間で超音波が繰り返し反射することで、実際の構造物より深い位置に複数の等間隔な虚像が描出される現象であり、画像所見とは異なる。正しくは:多重反射は、胸壁や心膜、石灰化など高エコー構造物の奥に、構造物の繰り返し像が描出される。選びやすい理由:虚像が描出されるアーチファクトとして混同しやすい。混同注意:サイドローブ、鏡面現象
- 4. レンズ効果は、音速が異なる媒質を通過する際に超音波が屈折し、像のゆがみや位置のずれが生じる現象であり、画像所見の弁尖からの虚像の描出とは異なる。正しくは:レンズ効果は、脂肪層など音速の異なる組織を通過することで、超音波像が歪んで描出される現象である。選びやすい理由:アーチファクトの一種であるため、混同しやすい。混同注意:屈折アーチファクト
- 5. 正解。サイドローブは、超音波ビームの主軸から離れた位置の振動(サイドローブ)によって、本来の構造とは異なる部位に虚像が描出されるアーチファクトである。画像では、僧帽弁前尖からのサイドローブにより、心室内に弁尖とは別の膜状エコーが認められる。選びやすい理由:複数の虚像を描出するアーチファクトが存在するため、正確な知識が必要。混同注意:多重反射、鏡面現象
国試ポイント
心臓超音波検査におけるサイドローブアーチファクトの典型的な画像所見を理解すること。
混同注意
多重反射は複数の強い反射面間で超音波が往復することで生じるが、サイドローブは主ビームの周辺からの反射で、本来の構造とは無関係な位置に虚像を生じることが異なる。
次に同じ論点が出たら
心腔内や血管腔内に、実体がないにもかかわらず描出される、弁尖や血管壁から離れた線状または膜状のエコー像が見られた場合。
関連知識
超音波アーチファクトには、サイドローブ、多重反射、音響陰影、音響増強、鏡面現象などがあり、それぞれ発生機序と画像所見が異なる。これらを区別して理解することが重要。