睡眠ステージ1から睡眠ステージ2に移行したと判断できる脳波の波形はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
睡眠ステージの移行を判断する際には、特定の脳波パターンが指標となります。特に、覚醒時やN1期からN2期への移行は、紡錘波(睡眠紡錘波)の出現によって特徴づけられます。紡錘波はN2期において周期的に出現する特徴的な波形で、睡眠の深まりを示す重要なサインの一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. α波は主に覚醒時、特に閉眼安静時に出現する脳波であり、睡眠ステージへの移行を示すものではありません。正しくは:α波は覚醒時の指標です。選びやすい理由:覚醒と睡眠の境界を意識する際にα波を連想することもあるかもしれませんが、睡眠ステージ移行を直接示すものではありません。混同注意:覚醒から睡眠への導入期にはα波が消失するものの、それが睡眠ステージ移行を判断する直接的な波形とは異なります。
- 2. 正解。紡錘波は睡眠ステージ2(N2)に出現する特徴的な脳波であり、この波形の出現は覚醒から睡眠ステージ1、そしてステージ2への移行を判断する重要な指標となります。正しくは:紡錘波は睡眠ステージ2の主要な特徴です。選びやすい理由:他の選択肢も睡眠に関連する波形であるため、混同しやすいかもしれません。混同注意:K複合と紡錘波はN2期の特徴ですが、質問はステージ移行の判断に焦点を当てています。
- 3. 低振幅速波はREM睡眠時や覚醒時に見られる脳波ですが、特定の睡眠ステージへの移行を判断する主要な指標ではありません。特に覚醒期の低振幅速波とREM睡眠期のそれは見かけ上似ていても、その意味合いは異なります。正しくは:低振幅速波はREM睡眠や覚醒時に見られますが、ステージ移行の判断には紡錘波のような特定の波形が用いられます。選びやすい理由:REM睡眠が「浅い睡眠」と認識されることから、ステージ移行の指標と誤解する可能性があります。混同注意:REM睡眠と覚醒期の脳波が似ているため、どちらのステージの低振幅速波を指しているのかで混乱する可能性があります。
- 4. 丘波(徐波)は、睡眠ステージ1から2への移行を判断する指標ではありません。ステージ2への移行は、睡眠紡錘波の出現で判断します。
- 5. 瘤波(頭頂鋭波)は睡眠ステージ1でみられる波形で、ステージ2への移行を判断する指標ではありません。
国試ポイント
睡眠の脳波の知識を問う問題。各睡眠ステージ(覚醒、N1, N2, N3, REM)の特徴的な脳波とその定義、そしてそれがステージ判断にどう利用されるかを理解しているかが重要です。特にN2期の紡錘波とK複合は頻出のポイントです。
混同注意
各選択肢には睡眠に関連する単語が含まれているため、用語の正確な知識がないと混同しやすい。特に「徐波」や「低振幅速波」は様々な睡眠ステージや覚醒時に出現するため、それぞれの特徴を明確に区別する必要があります。また、不正確な表現の選択肢(丘波0徐波、瘤波0頭頂鋭波)を見抜く力も問われます。
次に同じ論点が出たら
この問題に正答できた場合、各睡眠ステージの脳波的特徴は理解していると考えられます。次に、具体的な症例とPSG波形を提示され、睡眠ステージを判定する問題や、睡眠障害と脳波所見の関連を問う問題に取り組むと良いでしょう。
関連知識
睡眠ポリグラフ検査(PSG)における睡眠ステージ判定基準(APSSG基準)。α波、θ波、δ波、β波などの周波数帯域とその生理的意味。K複合。REM睡眠とノンレム睡眠の生理学的特徴。ナルコレプシーなどの睡眠障害と脳波所見。