赤血球浮遊液の濃度を最も高く調整するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ABO血液型検査のスライド法は、肉眼で直接凝集反応を確認するため、反応を明確にする目的で10〜20%と高濃度の赤血球浮遊液を使用します。他の選択肢の検査法は、一般的に2〜5%(カラム法はさらに低い0.8〜1.0%)の浮遊液を使用するため、スライド法が最も高い濃度です。
選択肢ごとの解説
- 1. ABO血液型検査の試験管法では、一般的に2〜5%の赤血球浮遊液を使用します。これはスライド法よりも低濃度です。正しくは:2〜5%の浮遊液を使用します。選びやすい理由:血液型検査の基本であるため、選択肢として目につきやすいです。混同注意:スライド法と試験管法の違い、または検査の目的と浮遊液濃度の関連性を混同する可能性があります。
- 2. 正解。ABO血液型検査のスライド法では、肉眼での凝集反応を明瞭に観察するため、通常10〜20%と高濃度の赤血球浮遊液を使用します。これは提示された選択肢の中で最も高い濃度です。
- 3. 不規則抗体検査の試験管法では、通常2〜5%の赤血球浮遊液を使用します。これはABO血液型検査のスライド法と比較して低濃度です。正しくは:2〜5%の浮遊液を使用します。選びやすい理由:不規則抗体検査も輸血検査で重要であり、濃度の知識が求められるため、注意を引くかもしれません。混同注意:スクリーニングや同定など、不規則抗体検査のバリエーションとそれぞれの推奨濃度を混同する可能性があります。
- 4. 不規則抗体検査のカラム法では、通常0.8〜1.0%と非常に低濃度の赤血球浮遊液を使用します。これはカラム内のゲルが凝集を検出する高感度な方法であるためです。正しくは:0.8〜1.0%の浮遊液を使用します。選びやすい理由:新しい検査法であるため、特性を覚えていないと間違える可能性があります。混同注意:カラム法の原理を理解していないと、試験管法やスライド法と同じような濃度を想定してしまうかもしれません。
- 5. 交差適合試験の生理食塩液法では、通常2〜5%の赤血球浮遊液を使用します。これはABO血液型検査のスライド法よりも低濃度です。正しくは:2〜5%の浮遊液を使用します。選びやすい理由:輸血直前の重要な検査であるため、その重要性から何か特別な濃度が必要だと誤解する可能性があります。混同注意:間接抗グロブリン法(間接クームス試験)と生理食塩液法の区別、または異なる輸血検査の浮遊液濃度を混同する可能性があります。
国試ポイント
輸血検査における各種検査法の原理と、それに伴う赤血球浮遊液の推奨濃度に関する知識が問われています。特に、目視判定を重視するスライド法が高濃度を必要とすることを理解しているかがポイントです。
混同注意
各検査法の原理(凝集の検出方法)と、それに最適な赤血球浮遊液の濃度を混同しやすいです。特に、試験管法、スライド法、カラム法などの手法の違いによる濃度の変化が重要です。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合は、各検査法の『検出原理』と『凝集塊の視認性』が、赤血球浮遊液濃度を決定する主要因である点に着目してください。特に、高感度な検出系(例:カラム法)では低濃度で十分であること、肉眼判定(例:スライド法)では高濃度が必要であることを押さえましょう。
関連知識
輸血検査ガイドライン、血液型判定、不規則抗体スクリーニング、交差適合試験の各実施手順と、それぞれの検査の感度・特異度を向上させるための条件設定(反応時間、温度、増強剤、遠心条件など)。