心電図(別冊No. 4)を別に示す。正しいのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
提示された心電図では、V1からV6誘導にかけて広範なST上昇が認められます。この所見は、前壁に広がる心筋梗塞、すなわち広範前壁梗塞を強く示唆しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 右室梗塞の診断には、右側胸部誘導(V3R, V4R)でのST上昇が必要です。一般的な12誘導心電図だけでは診断が困難です。正しくは:右側胸部誘導の所見も考慮する。選びやすい理由:下壁梗塞と合併しやすいことは知られているため、関連性から推測する可能性があります。混同注意:下壁梗塞の所見と混同しやすいですが、右室梗塞には特異的な誘導の評価が不可欠です。
- 2. 下壁梗塞では、II、III、aVF誘導でST上昇が認められます。下図の心電図ではこれらの誘導にST上昇は認められません。正しくは:II、III、aVF誘導のST変化を確認する。選びやすい理由:心電図の基本的な梗塞部位の区別としてよく挙げられるため、安易に選んでしまう可能性があります。混同注意:他の梗塞部位と所見が混同しやすいです。
- 3. 後壁梗塞の診断では、V1-V3誘導でのR波増高とST下降(ミラーイメージ)が特徴的です。下図の心電図ではそのような所見は見られません。正しくは:V1-V3誘導のR波増高やST下降を確認する。選びやすい理由:心電図で所見が捉えにくい梗塞部位であり、他の部位との鑑別が難しいと感じるかもしれません。混同注意:ST上昇型心筋梗塞におけるST下降と混同しやすいですが、後壁梗塞のST下降は特徴的なR波増高を伴います。
- 4. 高位側壁梗塞では、I、aVL誘導でST上昇が認められます。下図の心電図ではこれらの誘導にST上昇は認められません。正しくは:I、aVL誘導のST変化を確認する。選びやすい理由:側壁梗塞も比較的一般的ですが、高位側壁と低位側壁の区別が曖昧だと誤解する可能性があります。混同注意:低位側壁梗塞(V5, V6)と混同しやすいです。
- 5. 正解。下図の心電図では、V1からV6誘導にかけて広範囲にST上昇が認められます。これは広範前壁梗塞の典型的な所見です。
国試ポイント
心筋梗塞における梗塞部位とそれに対応する心電図誘導でのST変化(特にST上昇)を正確に識別できるかどうかが問われる。広範前壁梗塞はV1-V6誘導という広範囲のST上昇で認識できる。
混同注意
心筋梗塞の部位診断は、各誘導の解剖学的位置関係を理解していないと混同しやすい。特に、前壁、下壁、側壁、後壁の主要な誘導を確実に覚えることが重要。
次に同じ論点が出たら
今後も心筋梗塞の部位診断は頻出すると考えられるため、各誘導に対応する心臓の部位と、ST変化のパターン(上昇・下降)を正確に把握しているかを確認する。特に、広範前壁梗塞のように複数の誘導にまたがる所見を識別できるかがポイントとなる。
関連知識
前壁中隔:V1-V2。前壁:V3-V4。側壁:V5-V6、I、aVL。下壁:II、III、aVF。後壁:V1-V3でのR波増高とST下降(ミラーイメージ)。右室:V3R-V4R。